18日朝、米・アシュフォードスタッドで余生を過ごしていた、84年愛ダービー馬エルグランセニョール El Gran Senorが、老衰のため安楽死された。25歳だった。
エルグランセニョールは父Northern Dancer、母Sex Appeal(その父Buckpasser)という血統の米国産馬。全兄にトライマイベスト(デューハーストS-英G1、大種牡馬ラストタイクーンの父)がいて、牝系はスピニングワールド(BCマイル-米G1)、Jazil(ベルモントS-米G1)ら世界各国で多くの活躍馬を出す名門。先日の秋華賞(GI)で3着したフサイチパンドラは姪にあたる。
現役時代は愛国で調教され、84年愛ダービー(愛G1)、84年英2000ギニー(英G1)、83年デューハーストS(英G1)などを制覇。英ダービー(英G1)ではセクレトに唯一の敗戦(2着)を喫したが、8戦7勝(重賞5勝)という素晴らしい成績を残し、Sadler's Wells、Rainbow Quest、Darshaanら強力な同世代馬の中、83年英愛2歳チャンピオン、84年英愛3歳チャンピオンに輝いた。
引退後、85年から米・ウインドフィールズファームにて種牡馬入り。翌年からアシュフォードスタッドに移り、Belmez(キングジョージ6世&クイーンエリザベスDS-英G1)、ロドリゴデトリアーノ(英2000ギニー-英G1)、Lit de Justice (BCスプリント-米G1)などの活躍馬を輩出。日本ではロードアトラスが00年京都ハイジャンプ(JGII)を勝ったほか、ロドリゴデトリアーノが種牡馬として輸入され、エリモエクセル(98年オークス-GI)などの父となった。
母の父としては、Empire Maker(ベルモントS-米G1、父Unbridled)、Grand Slam(シャンペンS-米G1、父Gone West)、Chester House(アーリントンミリオン-米G1、父Mr.Prospector)などを出している。00年に、種牡馬入り当初からの問題でもあった生殖能力低下のため、種牡馬引退し余生を送っていた。