ホープフルSに出走するオーソリティ(撮影:下野雄規)
皐月賞と同じ舞台で行われる2歳GI競走。キャリアの浅い馬がほとんどで、まだ個性をつかめきれていない上に力関係もはっきりとせずに難解だ。おまけに、当日は好天に恵まれそうだが、馬場状態もやや微妙。
それでも、中山で行われた過去5回の勝ち馬の中から2頭のクラシックホースが輩出されているのだから、注目の1戦だ。
◎オーソリティは函館競馬場の新馬、そして中山競馬場で芙蓉Sを勝って2戦2勝。勝ったのは、今回と同じ中山競馬場の2000mコースを含み、いずれもコーナーを4回まわるコースというのはアドバンテージになる。父オルフェーヴルは言わずと知れた三冠馬で、有馬記念2勝。暮れの中山競馬場と相性が良かった上に、不良馬場のダービー、そしてフランスの馬場も苦にしなかった。実際、産駒もパワーが要求される馬場を得意とする産駒が多い。母はリオンディーズ、サートゥルナーリアの半姉で、エピファネイアの全妹。2歳暮れの重賞競走に実績のあるファミリーというのも心強い。
新馬、アイビーSで非凡な瞬発力を披露した○ワーケアは半姉にダノングレース(福島牝馬S3着)がいる血統で、母はイタリアの2冠牝馬。馬格にも恵まれており、豊かな将来性を感じさせるものの、ハーツクライ×オラトリオの配合は晩成型のイメージだ。ここは完成度という点で一枚割引いた。
人気が予想される▲コントレイルは3番手とした。祖母に米国2歳牝馬チャンピオンを持つディープインパクト産駒で、母の父アンブライドルズソングもブリーダーズCジュベナイルの優勝馬。仕上がりの早い血統構成で、レースセンスの高さやスピード能力は過去2戦で実証済み。ただし、中山競馬場の2000mコースはイメージ以上にスタミナや底力が要求されるコースだ。
前走は案外だった△ラインペックの2勝は、いずれも時計がかかる馬場状態だった。先行力は武器になる。同じく先行力がある△ヴェルトライゼンデともども一角崩しの期待。札幌2歳Sの覇者△ブラックホールは中山競馬場でGI競走2勝ゴールドシップ産駒。祖母のブルーリッジリバーはフェアリーS2着で桜花賞も2着。注目したい1頭だ。