今週の栗東は3月に入ったとはいえ、風が冷たく、肌寒く感じる日が多い。4日は調教時間帯も好天だったが、5日は晴れているかと思えば、急に雲が広がって強い雨が降り、再び晴れるといった変化の多い天気。上空には強い寒気があるのか、雨には雪が混じっているようにも見え、もうしばらくはこんな気温が続くかも知れない。
そんなこともあり、まだ冬毛が生えたままの馬も多い。そろそろ毛が抜けて毛艶が良くなってくる馬も出てくると思うが、その姿を現地のパドックで確認できないのは残念だが、こればかりは仕方ない。一刻も早く、通常の競馬開催になることを願うばかりだ。
【坂路/4F51.9秒】
3月4日。一番時計は先週に引き続き、
ダノンスマッシュ(栗東・安田隆行厩舎)。時計は4F49.8秒なので、先週より0.2秒遅くなっているが、50秒を切るという意味ではほぼ変わらない
スピード。4F50秒台の頭数は多く、相変わらず時計の出やすい馬場状態といった印象を受ける。
5日。前夜に雨が降った影響を受けたのか、前日よりも時計を要している印象。一番時計は4F50.6秒の
パーティナシティ(栗東・高橋義忠厩舎)だが、いつも速い時計をマークするタイプ。それがこの数字なら前日よりは時計を要しているが、基準時計よりも遅い馬場ということもない。
同じ時間帯に大阪城Sに向けた最終追い切りを行ったのが、
レッドガラン(栗東・安田隆行厩舎)。
スマートコマンダーを追いかける内容だったが、前半ではあまり差を詰めることなく、1秒近く追いかけた状態。それだけに後半でその差が詰まるか心配だったが、残り300mあたりでは加速力の違いで楽に並びかけていく。結局、最後は先着してゴール。時計は4F52.1秒と全体はさほど速くなっていないが、2F24.5秒はなかなか。
先週の馬場差は『-0.3秒』。4日は同じ馬場差『-0.3秒』でよいと思うが、5日は文中にも記したように、気持ち時計を要しているので『-0.1秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
3月4日。馬場状態は先週と変わりない。ただ、好天での追い切りもあってか、ゴール前で11秒前半といった非常に速いラップでまとめてくる馬もちらほら。当然、GIを勝ち負けするような能力が高い馬が多いのだが、
アドマイヤベネラ(栗東・友道康夫厩舎)は未勝利なのに11.3秒。
右回りではなかなか手前を替えなかった馬だが、この日は川田将雅騎手が跨って、サッと手前を替えてこのラップ。レースは来週の中京を予定しているが、遅ればせながらクラシックへ、という期待も膨らむ。
3月5日。坂路と同様、前夜の雨に影響を受けた印象がある。それだけにゴール前では脚色が悪くなる馬もいたが、だからといって基準時計よりも重たいという馬場でもない。
先週の馬場差は「-0.9秒」。今週も4日に関しては先週とほぼ変わりない『-0.8秒』で馬場差を記録。5日に関しては雨の影響があったので『-0.6秒』で馬場差を記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は4日、5日ともに追い切りが行われているが、頭数はさほど多くない。4日に友道康夫厩舎の3頭併せが行われているが、一番後ろから追いかけた
デゼルが6F78.8秒、4F49.3秒と速い時計を出しているので、馬場状態はほぼ基準時計通り。よって、馬場差に関しては『±0.0秒』で4日、5日とも記録している。
ポリトラック馬場での追い切り頭数は先週とほぼ変わらない。5日に関しては前夜の雨があった影響か、通常の木曜日よりは頭数が多い印象を受けた。馬場状態に関しては先週とほぼ変わりないので馬場差は、先週と同じ『±0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)