単勝1.3倍の圧倒的1番人気に支持されたアーモンドアイがスタートで立ち遅れた。が、すぐさまリカバリーして中団の後ろにつけた。
その1馬身ほど前の内には昨年の覇者インディチャンプ、さらに1馬身ほど前の外目には池添謙一のグランアレグリアがつけている。池添はこう振り返る。
「いい状態に仕上がっていることを返し馬で感じることができました。折り合いが大事な馬なので、そこに気をつけました。いいリズムであのポジションを取ることができました」
前半800m通過は45秒7。後半800mは45秒9。稍重であること考えると、速い流れになったと言えよう。
3、4コーナー中間地点で、逃げるダノンスマッシュからグランアレグリアまでは5馬身ほど。アーモンドアイはその2馬身ほど後ろにいる。
4コーナーでグランアレグリアが外に進路を取ると、さらに外からケイアイノーテックがマクるように上がってきた。グランアレグリアはそれと併せるようにして直線へ。
「蓋をされるのが嫌だったので、自信を持って動かして行きました」と池添。
ラスト400m地点で池添が仕掛けると、グランアレグリアはさらに加速し、ラスト200m手前で先頭に立った。
外からインディチャンプとアーモンドアイが追い上げてきたが、すでに大勢は決していた。
グランアレグリアは力強く抜け出し、2着のアーモンドアイに2馬身半の差をつけ、GI馬10頭が揃ったマイル王決定戦で頂点に立った。
「直線で抜け出してからも踏ん張ってくれました。最後は必死で追いました。どのくらい差がついているかわからず、アーモンドアイが来ると思っていたのでヒヤヒヤでした」と池添。
完璧に立ち回ったグランアレグリアに対し、アーモンドアイは、3着に終わった昨年とややオーバーラップする形になった。他馬に寄られた昨年ほどではなかったが、スタートで後手を踏み、4コーナーから直線入口にかけて、スムーズではない局面があった。インディチャンプも、直線で進路を確保するまで時間がかかってしまった。
しかし、2頭がスムーズな競馬をしていたとしてもどうだったかと思うほど、今日のグランアレグリアは強かった。
アーモンドアイは、上がり最速の脚を使えなかったことが示しているように、いわゆる中2週の目に見えない疲れがあったのか。立て直して、またスケールの大きな走りを見せてほしい。
(文:島田明宏)