【宝塚記念予想】 3人の記者がサマーグランプリの行方を占う! 攻略のカギを握るのは“馬場適性”と“展開”!?/JRAレース展望

2020年06月27日 20:03

大穴候補として名前の挙がったカデナ。大阪杯では低評価を覆す好走を見せただけに、ここでも再現の期待が高まる(写真は20年小倉大賞典勝利時)

 GI馬8頭が集結し、例年以上に豪華メンバーとなった今年のサマーグランプリ。馬券的には難解になった宝塚記念について福島民報・高橋利明、東京スポーツ・山河浩、スポーツ報知・坂本達洋という3人の記者に見解をうかがった。

 宝塚記念は阪神競馬場の芝2200mを舞台に行われるが、3年前には同じ阪神競馬場で行われる大阪杯がGIに昇格。4月上旬に行われ、距離も2000mとわずか1ハロンしか違わない条件だけに、両方を制覇する馬が現れてもおかしくないが、大阪杯と宝塚記念をともに制した馬となると、GII時代を含めても09年のドリームジャーニーまで遡らなければならない。

 直結しないのは当然と断じ、その原因を距離に求めたのは高橋記者だ。

「日本のGIは大半が1600m、2000m、2400mと400m刻みでこれが根幹距離。2200mの宝塚記念は非根幹距離で異質だ。(競走馬には)根幹距離に強いタイプと非根幹距離に強いタイプがいる。今のように距離のスペシャリストが戦うレース体系では、大阪杯と宝塚記念が直結しないのは当然だと思う。大阪杯から間隔が開き、暑さで調整が難しいことも挙げられる」

 一方、昨今のレースでの消耗の激しさを理由として挙げたのが山河記者と坂本記者。穴党として知られる山河記者は、次のように分析する。

「キセキは昨年両レースを2着。同じ内回りコースゆえ、問われる適性に大差はなく状態面に不安がなければ、双方での好走は可能なはずだ。しかし大阪杯がGIに昇格し、レベルアップしたためメイチ仕上げが求められることに。天皇賞(春)も挟んだ3戦でマックスの状態を維持は不可能といえる。ただし中間のリフレッシュがうまくいけば、大阪杯→宝塚記念連勝は不可能ではないとみる。状態面の見極めがカギとなるだろう」

「連勝できない理由としては、1戦1戦の消耗度が高いハイレベルなレースが行われているからだと思います。17年に大敗したキタサンブラックも馬場が大きな敗因だったと思いますが、大阪杯、天皇賞(春)と歴戦の疲れがあったともいえるでしょう。大阪杯やドバイを目指して馬をキッチリと仕上げて、そこから春のグランプリへ向かうのはタフなローテになってきてしまっているのかもしれません。近年のクラシックでも、やはり一戦一戦の消耗度が大きいため、直行ローテ、ぶっつけ本番ローテが増えていますからね」

 そう追随したのは坂本記者だ。以上の点を踏まえて、最後にそれぞれの記者の注目馬を挙げてもらった。まずは、福島民報の高橋記者から。

「能力だけならサートゥルナーリアだろうが、今の時期の阪神の馬場への適性をどう見るか。ただ、無観客という例年にはないファクターを重視すれば、サートゥルナーリアには有利に働く。馬場適性と非根幹距離への相性を重視すれば、クロノジェネシスとブラストワンピースに注目したい。大阪杯で脚を余したカデナ、天皇賞(春)で大健闘したスティッフェリオのようなケースがあり、伏兵も浮上する可能性がある。馬場が悪化しなければ、カデナは大阪杯で強烈な脚を見せただけに穴馬で注目したい」

 スポーツ報知の坂本記者は、牝馬2頭で決まった前述の大阪杯についてそこまで評価していないという。

「逃げる形になったダノンキングリー、内枠からスタートで後手を踏んでしまったブラストワンピースなど、実力馬が力を出し切れたとは言い難く、あえて別路線から狙ってみたいです。そういう意味でグローリーヴェイズの昨年の香港ヴァーズは完璧なレースでしたし、いよいよ完成期に入ったといえるでしょう。それ以来のレースですが、十分に乗り込んでフレッシュなのは好感が持てます。2週前、1週前追い切りに騎乗したレーン騎手は、操縦性の良さや能力の高さを感じ取った様子でしたので、ここは強気に狙ってみたいところですね」

 最後に、東京スポーツの山河記者は、穴党らしく意外な馬をプッシュしてきた。

「大阪杯のカデナ、天皇賞のスティッフェリオはともに◎を打っただけにフロックとは見ていない。ただし前者は脚質的にどうしても展開待ち、かつ不利を受けやすい面は否めない。後者は昨年のオールカマー勝ち馬、直線に坂のある右回り2200mという条件に不足はない。天皇賞は100点の騎乗。ただし、すぐ前に同厩ダンビュライトがいたぶん、やや積極性を欠いたか。自分から動いていたらフィエールマンの末脚を封じていたかも。テン乗り・幸の手綱さばき次第では、今度こそ大仕事の可能性も」

 三者三様の興味深い結論となったが、果たして、どのような結末が待ち受けているのか。上半期の中央競馬を締めくくるグランプリのゲートは、明日15時40分に開く。

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