検索メニュー

  • クラブ馬分析
  • 募集馬検索
  • 血統検索
  • 条件別検索

詳細検索

  • 性別
  • 馬齢
  • 生産者 指定なし
  • 馬主名 指定なし

生産者

クリア
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
M
N
O
P
Q
R
S
T
U
V
W
Y
Z

馬主名

クリア
A
B
C
D
F
G
H
I
J
K
L
M
N
O
P
R
S
T
U
V
W
X
Y

【マーキュリーC回顧】スタミナ勝負で能力を発揮したマスターフェンサー(斎藤修)

2020年07月22日 18:00

マスターフェンサーが重賞初制覇を飾った(提供:岩手県競馬組合)

 注目のマスターフェンサーは、日本では初めての重賞挑戦で、地方も初めて。一方、実績上位のデルマルーヴルは1頭だけ別定3kg増の57kgがどうか。マスターフェンサーが人気の中心となり、単勝ではヒストリーメイカーが2番人気だったものの、連勝系のオッズでは相手筆頭はデルマルーヴル。人気を集めた2頭が、坂のある2000mというスタミナが要求されるコースで能力を発揮した。

 これといってハナを主張する馬もなく、逃げたのは北海道のリンノレジェンド。良馬場ではあったものの、2日前にレースが取止めになるほどの豪雨があって時計の出やすい馬場。1000m通過62秒0はゆったりした平均ペース。その1000mを過ぎたところから好位の中央有力勢が徐々に動き出し、先頭のリンノレジェンドに並びかけた残り800mのあたりから徐々にラップが上がり始めた。

 向正面に入ったあたりの位置取りでは、前3頭からやや離れた4番手がマスターフェンサーで、差なくヒストリーメイカーランガディアと続いてデルマルーヴルは中団7番手。早めに仕掛けて前をとらえにかかったのがデルマルーヴルで、マスターフェンサーは3コーナー過ぎからこれを目標にする形で動き出した。ここが勝負のひとつのポイント。直線坂下、デルマルーヴルが先頭に立ったが、坂を上がったあたりでマスターフェンサーがとらえて突き放した。

 1、2着の着差は1馬身半で、3着のランガディアにはさらに5馬身差がついた。盛岡のダートグレードでは、短距離のクラスターCはともかく、南部杯、マーキュリーCは、能力差以上に着差がついての決着が少なくない。冒頭でも触れたとおり、盛岡のダートコースはスタミナが要求されるコース。マーキュリーCの過去の上位馬を見ても、1600〜2000mが守備範囲の馬より、2100m以上のダートグレードで実績を残している馬の好走が目立つ。デルマルーヴルはもちろん、どうやらマスターフェンサーもそのタイプであるようだ。

 マスターフェンサーは、結果的に中止になったドバイ遠征を挟んで、ここ3戦は東京ダート2100mを使われてきた。準オープンの金蹄Sを勝って、その後のオープン特別はともにきわどい2着。特に前走スレイプニルSは前半1000m通過が63秒というスローペースで、直線追い比べのスタミナ勝負。10頭立てで、逃げて7着だったダイシンインディーと、最下位のテルペリオン以外の8頭が上り35秒台という勝負。勝ったエルデュクラージュには及ばなかったが、3着以下は完封していた。東京ダート2100mと盛岡ダート2000mは、左回りのコーナー4つに直線に坂があるという似た形態。ドバイを使えず脚質に合ったレースを選んだら東京2100mが3戦続いたということなのだろうが、マーキュリーCの前哨戦としては最適な臨戦過程だった。

 中央ではルメール騎手とリーディングを争っている川田将雅騎手は、今年これで地方のダートグレードは5勝目。とにかく乗れている。デルマルーヴルを目標にした仕掛けのタイミングは見事だった。

 さて、マスターフェンサーの今後となると、流れがあまり緩むことがなく、ゴール前の瞬発力も要求される中京1800mのチャンピオンズCはおそらく向いていない。大井2000mのGI/JpnIも、よほど前半がスローに流れるような展開にならない限り難しいように思われる。デルマルーヴルと同じく、2500mの名古屋グランプリや2100mの川崎記念あたりで能力を発揮するのではないか。

 デルマルーヴルも別定3kg増の57kgを考えれば持ち味を発揮した。名古屋グランプリでは3コーナーから前4頭を追いかけ、194mという短い直線で見事に差し切ったが、盛岡の直線は坂があって300m。3コーナー手前から動き出したのはちょっと早かった。1番人気ではなくとも実績最上位なだけに勝ちに行く競馬をしなければならないということはあっただろうが、そのぶん、マスターフェンサーの格好の目標となってしまった。

 中央勢上位独占の一角を崩して3着に入ったのがランガディア。中央時代はずっと芝を使われオープンで頭打ち。最後にダートの総武Sを使われたが、16頭立ての最下位という成績で岩手に移籍してきた。調教師も驚いたという、砂の重い水沢の、しかも良馬場で重賞3連勝。それでも中央時代の実績からさすがにこのメンバーでは6番人気。しかしながら時計の出る盛岡でも中央勢と互角に渡り合った。むしろダートにこそ適性があったのではないかと思える岩手移籍後のレースぶりだ。道中は1、2着馬と同じような位置を進み、ペースアップしたところではやや置かれたが、それでも直線で使える脚をしっかり残していた。デビュー5年目の鈴木祐騎手は殊勲の騎乗だった。芝コースもある岩手なら今後の選択肢がさまざまに広がる。

 ヒストリーメイカーは、うしろからデルマルーヴルが来たタイミングで動き出し、3、4コーナーでは先頭をうかがった。やはりそれではタイミングが早く、直線の坂で脚が上がってしまった。前走平安Sが馬体重20kg減で、オメガパフュームゴールドドリームという超一線級を相手に4着。それで今回さらに馬体減ということでは、平安Sで目一杯の競馬をした反動があったのではないか。

新着ニュース

ニュースを探す

ご意見・ご要望

本サービスはより高機能なサービスの提供なども検討しております。お気づきの点がございましたらお気軽に下記フォームよりご意見をお願いいたします。

  • ご意見をご記入ください。

頂いたご意見には必ずスタッフが目を通します。個々のご意見に回答できかねますことを予めご了承ください。
また、連続して複数送信されると、受付できないことがあります。予めご了承ください。