JRAは7日、10月9日の南部杯(交流GI)で2着したあと、血管肉腫で美浦トレセン競走馬診療所に入院中だったヒシアトラス(牡6、美浦・中野隆良厩舎)について、6日に安楽死の処置がとられたと発表した。
JBCクラシック出走を目指していた同馬は、前走後から食欲が落ちて同レースを回避。回復に努めてきたが、いまだに原因も特定されず、良化の見込みもないことから、調教師とオーナーサイドが話し合った結果、安楽死処分を決めた。「まだまだ活躍が見込める馬だけに残念です」とオーナーサイドでは肩を落としている。
血管肉腫とは、血管内皮(血管の内側を覆う細胞)が腫瘍性に増殖し、全身の筋肉内に転移する悪性腫瘍で、現在のところ、有効な治療法は無いという。
ヒシアトラスは、父ティンバーカントリー、母は94年クイーンC(GIII)3着のタックスヘイブン(その父Alydar)という血統。半妹に3日の阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)で3着したルミナスハーバー(牝2、栗東・橋口弘次郎厩舎、父アグネスタキオン)がいる。05年平安S(GIII)で重賞初制覇を挙げると、その後も06年マーチS(GIII)、06年エルムS(GIII)を制覇。前走の南部杯では、ブルーコンコルドにクビ差の2着と、GIレースで初の連対を果たしていた。通算成績36戦10勝(うち地方2戦0勝、重賞3勝)。