8月23日、高知競馬場で地元馬による重賞・建依別賞(1400m)が行われる。レース名は「たけよりわけ」と読み、古事記に登場する土佐の国の神様。
中心は何と言ってもダノングッド。重賞3勝を挙げるダノンキングリーの半兄で、JRAオープンから南関東に移籍したのち、今春に高知へやって来た。
移籍2戦目は園田へ遠征し、超短距離戦の園田FCスプリント(820m)でラスト3F34.7秒という驚異のタイムをたたき出し、後方から追い込んでクビ差2着。前走の重賞・トレノ賞では地元大将格のスペルマロンに5馬身差をつけて圧勝した。
南関東時代や2走前はレース序盤で後手に回る場面も見られたが、前走は3〜4番手につけて3コーナーで先頭に立っての押し切り勝ち。ピカイチの末脚を持っている馬が、それだけ前目につけられればレースぶりもさらに安定し、強さに磨きがかかることだろう。
相手候補筆頭は最内枠に入ったエイシンヴァラー。兵庫時代に黒船賞(JpnIII)を制覇した馬で、一時期は歩様が整わず、思うように調教ができないこともあったが、高知に移籍しふたたび輝きを放っている。2走前のトレノ賞では4コーナーで前に迫り、見せ場を作って6着。前走の一般戦も安定の強さで、今回のメンバーなら上位争いに加われそう。
スリラーインマニラは今年2月の重賞・黒潮スプリンターズCで3着の実績。前走の準重賞・ミッキーロケット賞はスタートで1人気・スペルマロンが落馬というアクシデントがありながら、押して押してハナを奪い3着に粘った。
今回は内のハーツジュニアやアースグロウなど前に行きそうな馬が他にもいるが、トップジョッキーの赤岡修次騎手が騎乗。今さら言うまでもないが、騎乗技術の高さや驚異の勝率34.4%などに加え、ペース読みも素晴らしいジョッキー。どの位置からどんなレース運びをするかも楽しみにしたい。
前が流れれば期待したいのはピオネロ。3F40秒を切る上がりを近走でマークしており、注目だ。また、ハーツジュニアは展開的に厳しくなるかもしれないが、上位争いに加わってもおかしくなさそう。
建依別賞は8月23日高知7R、18時10分発走予定。
(文:大恵陽子)