【大井・JBC】 幾多の名馬が歴史を紡いできたダートの祭典! 20周年の今年は史上初の4レースで開催!/地方競馬レース展望

2020年11月01日 18:33

JBCクラシックで最有力候補と目されるクリソベリル。国内ではいまだ無敗だけに、ここも負けられない一戦となる(撮影:高橋正和)

 天皇賞・秋は、女王アーモンドアイが史上最多となる芝GI8勝目を挙げるか、がひとつの注目ポイントだった。では、芝という枠をダート、さらにGI/JpnIにまで広げてみるとどうだろうか。国内最多勝は11勝のコパノリッキーとなり、そのうちの2勝が2014、15年と連覇したJBCクラシックである。また、GI/JpnI10勝を挙げたホッコータルマエや、同9勝ヴァーミリアンとエスポワールシチーもJBC覇者。そう、JBC競走は数多のタイトルを手にした名馬がしのぎを削ってきた一戦なのだ。

 今年は11月3日(祝・火)に行われるJBC競走は、JBCクラシック、JBCスプリント、JBCレディスクラシックの3競走をさす。さらに今年からJBC2歳優駿も創設され、4競走に増えた。実施場所は毎年、全国の地方競馬場の持ち回り制で、今年はクラシック、スプリント、レディスクラシックが大井、2歳優駿は門別と、史上初めて2つの競馬場で開催される。

 初めてJBC競走が行われたのは今から19年前、2001年大井競馬場。地方競馬の廃止ラッシュが始まりかけた不況の時代ながら、大勢の人でスタンドが埋め尽くされ、JBCクラシックをレギュラーメンバーが、JBCスプリントをノボジャックが制した。

 当時、JRAにダートのGIはフェブラリーS(1600m)とジャパンCダート(当時2100m、現・チャンピオンズC)の2つしかなかった。さらなる活躍の場を求めるダート馬や、短距離志向のダート馬にとって、JBC競走は新たな選択肢となった。

「あともう少し距離が短かったら、この馬が強いんじゃないのかな」――フェブラリーSの出馬表を見ながら、そう考えたことはないだろうか。2002年フェブラリーS6着のサウスヴィグラスは生涯、1400m以下のレースでしか勝てなかった。言い方を変えれば、1400m以下だと強さを遺憾なく発揮し、2003年JBCスプリント(1190m)を制覇。引退後は種牡馬入りし、ラブミーチャン、コーリンベリー、ヒガシウィルウィンなど産駒はダートで活躍した。

 また、地方馬で初めて2007年にJBCスプリントを制覇したフジノウェーブは、現在も大井競馬の重賞・フジノウェーブ記念として自身の名を残す。それだけ、JBCの称号は大きなものといっていい。

 JBC20周年を迎える今年も豪華メンバーが揃った。JBCクラシックには国内無敗のクリソベリル、JBCスプリントは藤田菜七子騎手騎乗予定のコパノキッキング、JBCレディスクラシックはグラマラスボディのファッショニスタ、JBC2歳優駿はハイレベルな2歳馬が揃うホッカイドウ競馬で重賞勝ちのラッキードリーム、ブライトフラッグ、シビックドライヴなどが出走を予定している。

 さらに今年は、JBC20周年記念のオリジナルファンファーレが演奏される。キャッチコピーの「ダート競馬の祭典」にふさわしい特別な一日になることだろう。
(文=大恵陽子)

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