将来性を感じるステラヴェローチェ(撮影:下野雄規)
長い歴史を持つ2歳ナンバーワン決定戦だが、2014年から阪神競馬場へと舞台が変わり、またホープフルSの重賞格上げでやや性格が変わりつつある。2歳GI競走だけに仕上がりの早さや完成度が重要であることに変わりはないが、マイル適性の高さも求められる。阪神競馬場で行われるようになってからの過去6回で1番人気馬3勝2着1回3着1回。3番人気以内が5勝2着3回3着3回と堅調傾向だ。
豊かな将来性を感じさせるのは、新馬戦、そしてサウジアラビアロイヤルCを粗削りな内容で勝った◎ステラヴェローチェ。デビュー戦はハナを切って逃げ切り勝ち。約3ヶ月ぶりの実戦、14キロ増で挑んだ前走は後方から大外をまわって突き抜けた。バゴの産駒であるということ、そして2戦とも時計がかかる馬場だったことからスピード勝負になったときは未知数だが、おじに2007年の優勝馬ゴスホークケンがいる血統。阪神コースもデビュー戦で経験しており、さらに上積みも見込める。やや先物買い感もあるものの、来春につながるような競馬をして欲しい。
ダイワメジャー産駒の○モントライゼは、おじに欧州のマイル重賞3勝のメディシアンがいる血統で、母の父は英国のチャンピオンS、そしてインターナショナルSの勝ち馬だ。今年6月にデビューして、人気を背負っていた小倉2歳Sは逃げ馬を追いかける立場となってゴール前で甘くなってしまったが、距離が伸びた前走の京王杯2歳Sでは、5頭が横並びになる中でダイワメジャー産駒らしい粘り強さを見せてくれた。レースぶりが完成しており、完成度という点では最右翼の存在だ。
新潟2歳Sの覇者▲ショックアクションはマイル適性の高さを感じさせる1頭だ。父グレンイーグルスが欧州2歳牡馬チャンピオンで、母の父ファストネットロックは短距離王国オーストラリアのトップスプリンターだった。今回は新潟2歳S以来のレースとなるが、スタートのセンスが良く、抑えも利いてジョッキーのゴーサインにも素早く反応してくれる。ここが試金石になりそうだが、将来性も含めて楽しみな馬だ。
今回と同じ舞台で行われたデイリー杯2歳S組も、もちろん有力だ。過去4戦すべてマイル戦を使われて2勝2着2回の△ホウオウアマゾンは、母はアグネスタキオン産駒らしい瞬発力を武器にしたマイルGIの2着馬だが、母がアグネスタキオン×エーピーインディで、自身はおじにカレンミロティックがいる血統なら、マイルよりも長い距離に向くかもしれない。
2戦連続レコード勝ちをしてきた△レッドベルオーブの前走は、折り合いを欠くようなシーンもあったが、一瞬のスキを突くようにインコースに潜り込んで競り合いを制した。高い能力は疑いようがないが、道中の折り合いがポイントになりそうだ。