先月16日に満33歳の誕生日を迎えたナイスネイチャ。1990年から1996年の期間を競走馬として走り、GIIの京都新聞杯、高松宮杯を含めて重賞を4勝し、有馬記念では3年連続3着などGIレースで一歩及ばない成績が続いたが、その歯がゆさがナイスネイチャの愛されるキャラクターとして定着。多くのファンを引き付けた。現在は認定NPO法人引退馬協会のフォスターホースとして、北海道浦河町の渡辺牧場で穏やかな余生を過ごしている。
そのナイスネイチャの誕生日の4月16日から5月17日までの間、今年で第5回目となる「ナイスネイチャ・バースデードネーション」が行われている。
このドネーションは毎年テーマを掲げて実施されており、昨年はジャパン・スタッドブック・インターナショナルの引退名馬展示事業助成金の受給条件(JRA重賞勝ち馬及び地方競馬で実施されたダートグレード競走の勝ち馬)を満たしていることを知らなかったり、助成金だけでは飼養経費を賄えないという理由で悲しい末路を辿る馬の命を繋ぐために、助成金対象馬のための寄付を募った。結果404人から1763900円を集め、昨年の出産、子育てで繁殖生活を引退したエイシンルーデンス(牝25・チューリップ賞、中山牝馬S優勝)をフォスターホースとして迎え入れ、ナイスネイチャのいる渡辺牧場で第三の馬生を送り始めた。
引退馬協会のこれまで積み重ねてきた信頼と実績に加え、今年は人気のゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」でナイスネイチャをはじめとする過去の有名馬が擬人化されたことにより、その影響もあって初日にあっという間に2000000円の目標額を突破。5月3日17時45分の時点で、12724人から26941773円と昨年を大幅に上回る寄付を集めている。引退馬協会の代表理事の沼田恭子さんは「まさかこのようなビッグプレゼントが用意されているとは想像していませんでした。寄付とともに頂いたメッセージがとても優しかったですし、金額よりも支援してくださった方が1万人以上というのも凄いと思いました」と驚きを隠さない。
今年のドネーションでは、産駒が重賞勝ちを収めているにもかかわらず、自身が重賞を勝っていなかったり、海外からの輸入繁殖馬で助成金の対象にはならない馬たち(種牡馬・繁殖牝馬)に支援の対象範囲を広げ、寄付を募っている。引退馬協会ではこれまでスキャンや3月18日に急逝したプリサイスエンドの2頭の輸入種牡馬の余生支援を行ってきたが、このような馬たちが種牡馬や繁殖牝馬から用途変更になり、人知れず行方不明になっているのは現実にはよくあることだ。
馬1頭を飼養するには、多額の費用がかかる。高齢馬ともなれば、医療費が嵩む場面も出てくるだろう。想定外のことがあるのが馬という生き物だ。日本の競馬に貢献してきた馬たちが行方知れずにならずに、1頭でも多く穏やかな余生が過ごせるように、ナイスネイチャへのお誕生日祝いの気持ちを寄付に変えてこの機会に引退馬支援をしてみるのはいかがだろう。
(取材・文:佐々木祥恵)
※500円から寄付が可能で、クレジットカードでの決済となります。
詳細は下記をご覧ください。
◆寄付したい方はこちらへ ナイスネイチャ・33歳のバースデードネーション
https:/syncable.biz/campaign/1589/◆認定NPO法人引退馬協会のナイスネイチャ・バースデードネーションのお知らせ
https:/rha.or.jp/topics/20210416-002.html◆認定NPO法人引退馬協会・代表理事沼田恭子から、ナイスネイチャ・バースデードネーションで集まった寄付の使途等について
https:/rha.or.jp/topics/20210419-002.html