人気薄が予想されるイベリスもヒモ馬選択のデータに該当した
GIシリーズは今週、東京芝1600m戦の『ヴィクトリアマイル』を迎える。先週の『NHKマイルC』では3歳勢によるマイル頂点、そして今週は古馬牝馬による春のマイル女王決定戦となるわけだ。
先週の『NHKマイルC』1着はルメール鞍上のシュネルマイスター(2番人気)。先行したピクシーナイトなどが引っ張るハイペース展開で、決着タイムはレースレコードと0秒2差の1分31秒6(良馬場)となった(コースレコードは1分30秒5)。今週からはBコース使用となるが、馬場状態が先週同様であれば同じような高速決着も期待できるだろう。
『ヴィクトリアマイル』といえば「荒れる!」というイメージを持っている方も多いはず。その原因は6年前のレース結果。3連単でいまだにGIのJRA最高払い戻しとなっている2070万5810円という特大馬券があったからだろう。そのときは1着に5番人気ストレイトガール。ところが2着に12番人気のケイアイエレガント、3着にはなんと最低18番人気のミナレットが入っての大波乱だったのだ。
並べて過去10年のデータを見てみると、その年を含め10万円台以上が5回も発生。確かに荒れることは荒れるレースなのだ。だが一方で、昨年の1番人気アーモンドアイが勝って3連単でも配当7340円に落ち着くような年もあるわけで…。要するに「ガチガチ&大荒れ」どっちに転んでも不思議じゃないのが『ヴィクトリアマイル』なのだ。
それでは今年のメンバーを見ていこう。
おそらく抜けた1番人気になりそうなのが、昨年『安田記念』『スプリンターズS』『マイルCS』というスプリントからマイル距離のGIを3つも制覇した女王格グランアレグリアだ。前走『大阪杯』では4着、だが今回は得意なマイル距離で鞍上ルメールということもあって単勝は確実に売れる。1番人気は間違いないだろう。
続く人気馬としては、前走『高松宮記念』2着レシステンシア(武豊)、前走『阪神牝馬S』1着デゼル(川田)と2着マジックキャッスル(戸崎圭)。さらに現在4連勝中のテルツェット(M.デムーロ)などがいる。
ただ馬券としての妙味を追求するならば人気薄馬にも目を向けておきたい。『ヴィクトリアマイル』で好走する人気薄馬は、どんなタイプがいるのかを整理しておこう。
◆ヴィクトリアマイルの人気薄は9パターンに分類される?
昨年は人気サイドで収まってしまった『ヴィクトリアマイル』。だが、今年も同じように人気サイド一辺倒で馬券を構成するというのも面白くない。人気馬から流すにしても相手に人気薄馬を用意したい。
「7番人気以下で馬券になった馬」は、過去14年だけでも18頭。それらを精査していくと9種類にカテゴライズできるのがわかった。それは以下の9パターン。
1 近3走以内で牝馬重賞を勝っている馬(6頭)
2 前年『ヴィクトリアマイル』1着馬(3頭)
3 とにかく逃げた馬(4頭)
4 近3走以内で2勝クラス&3勝クラスを連勝した馬(2頭)
5 前走が牡馬混合のGIII2着馬(1頭)
6 東京芝マイル戦で2戦以上して勝率100%の馬(1頭)
7 前年『ヴィクトリアマイル』3着馬(1頭)
8 2走前3勝クラス勝ち、前走牝馬限定戦2着(1頭)
9 古馬の牝馬限定GIで、2回2着になったことのある馬(1頭)
数の少ないパターンはまだ実行数が足りないので怪しいが、上位の「近3走以内で牝馬重賞を勝っている馬」が6頭と多いのでチェックはしておきたい。
今年そこに当てはまる人気薄馬は…。スマイルカナ(2走前GIII『ターコイズS』1着)、ディアンドル(前走GIII『福島牝馬S』1着)、ランブリングアレー(前走GIII『中山牝馬S』1着)、イベリス(2走前GIII『京都牝馬S』1着)あたりだ。ヒモ馬選択の際には気に留めておきたい。あとはここからどう絞り切るかが焦点である。
(netkeiba・大石川大二郎)