夏の川崎開催を締めくくる、スパーキングサマーC・SIIIが8月31日に行われる。今年で18回目を迎える名物マイル重賞は、出走馬14頭(南関東13頭、他地区1頭)中8頭が重賞ウイナーという、まれに見る好メンバーとなった。
しかし、19年には地元川崎のトキノパイレーツが重賞初制覇を果たし3連単の払戻しが14万7820円となるなど、新興勢力の台頭も目立つ一戦だ。今年は新星誕生となるか――。優勝馬には、日本テレビ盃・交流GII(9月29日、船橋)への優先出走権が与えられる。
川崎1600mは枠の有利不利の少ないコースだが、4コーナー奥からのスタートのため向正面に入るまでには隊列がほぼ決まってしまう。そのため、内枠に入った逃げ馬、道中を内で我慢した先行馬が粘り込むケースも。
そうなると、徹底先行で実績を残してきたサルサディオーネに俄然注目が集まる。前走のスパーキングレディーC・交流GIIIは堂々の逃げで6馬身差Vと圧巻のレースぶり。今回は同型でハナを争うと思われたワークアンドラブが抽選もれとなり、いっそう楽に自分の形に持ち込めそうだ。牡馬相手でも、この時と同じ別定56kgで地方馬同士なら前走の再現があってもおかしくない。
ティーズダンクも怖い存在だ。昨年の3歳時は、東京ダービー・SI(大井2000m)で3着、戸塚記念・SI(川崎2100m)制覇と中距離で結果を残してきたが、前走のマイルグランプリ・SIIでマイル重賞を初制覇。12kg減の498kgと大きく馬体を絞って出走し反応アップ。直線でのグレンツェントとの叩き合いをクビ差で制した。前の争いが激しくなれば、この馬の出番となりそう。
前走の雪辱を果たしたいグレンツェントは、怪我からスピード復帰した森泰斗騎手とコンビ復活。同騎手は8月3日の大井11Rでの落馬骨折で戦線を離れていたが、復帰初日の8月27日は4戦2勝2着1回と華麗な手綱さばきを見せている。昨年のこのレースVを含め、川崎のマイル重賞は2戦2勝と好相性。連覇達成の期待がかかる。
復帰後は勝ち星に恵まれないヒカリオーソだが、19年の東京ダービー・SI馬。その後も、川崎記念・交流GIで2着と、地力の高さは折り紙付きだ。昨年のこのレースでは0秒7差の6着と健闘しており、地元川崎の地の利を生かしての前進が期待できる。
さらに、19年の覇者トキノパイレーツ、全日本2歳優駿・交流GI馬ヴァケーション、前走のトライアルを制してここに駒を進めたマイネルナイペスも参戦し火花を散らす。見逃せない一戦だ。
(文:スポーツ報知記者・志賀浩子)
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