有馬記念の約3時間後、佐賀版有馬記念と言われる中島記念が行なわれる。本家の有馬記念同様、ファン投票で出走馬が選ばれる地元所属馬限定の重賞レースで、こちらにも「中島記念男」と言うべき、このレースにめっぽう強いジョッキーがいる。36年の歴史の中で実に9勝を挙げる真島正徳騎手だ。ウルトラカイザーやキョウワカイザーで白熱のレースを繰り広げ、今年も騎乗があればぜひ狙いたいジョッキーだったが、調教師試験に合格し、今月1日付で調教師に転身。現役で最も勝利を挙げるは4勝の山口勲騎手となった。
今年、山口騎手が騎乗するのは恐らく1番人気に支持されるであろうドゥラリュール。JRAで3勝を挙げて今年6月に佐賀で移籍初戦を勝つと、ここまで6連勝。佐賀では無敗で、7月に2000mの佐賀王冠賞で重賞初制覇を果たした時は鞍上の鮫島克也騎手(現調教師)が息子の鮫島克駿騎手(JRA)と親子同日重賞制覇を果たし、話題になった。(克駿騎手は小倉競馬場でCBC賞をファストフォースで制覇)
ドゥラリュールはその後、1750mの重賞・九州チャンピオンシップを制し、前走からは鞍上に山口騎手を迎え、中距離で強さを際立たせている。
同枠のパイロキネシストはドゥラリュールの半兄。佐賀王冠賞では直線をいっぱいに使ってドゥラリュールと一騎打ちを演じ、しぶとく食い下がり2着だった。弟(騙馬)が佐賀に移籍後は後塵を拝しているが、こちらも力は上位。この兄弟が中島記念の中心的存在となりそうだ。
グレイトパールも佐賀移籍当初はかなり注目を集めた馬。JRAで平安SとアンタレスSを勝った実力馬は佐賀移籍後も重賞5勝を挙げる。570kg前後の大きな体と薄めの蹄で、思うように調教ができない時期もあったようだが、距離が延びれば延びるほど力を発揮できるタイプ。2500mの九州大賞典は3連覇しており、今回は1800mという点と、大きなトビの馬で最内枠をどうこなすかがポイントとなるだろう。
ウノピアットブリオは2年前の覇者。当時はC級からB級にかけて連勝中で斤量も54kgと恵まれはしたが、グレイトパールに6馬身差をつける快勝だった。
昨年2着のゲットワイルドや、岩手時代に赤松杯、シアンモア記念、一條記念みちのく大賞典と重賞3連勝を果たしたランガディアなども上位争いに加わる可能性を秘めている。
筆者の本命はドゥラリュール。管理する真島元徳調教師は調教師として中島記念5勝、騎手時代にも3勝を挙げ、こちらも「中島記念男」。対抗に雄大な馬体が魅力のグレイトパール、▲パイロキネシスト、△ゲットワイルド、ランガディア、ウノピアットブリオ。
中島記念は12月26日佐賀6レース、18時15分発走予定。
(文・大恵陽子)
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