クイーンCに出走予定のベルクレスタ(撮影:武田明彦)
近年では人気を集めた馬がその人気に応えるケースが多くなり、いわゆる出世レースとしての地位を築き上げた感があるが、基本的には厳寒期に行われる牝馬限定レースで、かなり以前は「荒れるクイーンカップ」などと言われた時代もあった。今年の場合は木曜日に降った雪の影響も気になるところで、馬場状態も含め直前まで見極めたいレースだ。
1戦1勝の馬が5頭。それぞれ魅力たっぷりだが◎ベルクレスタはアルテミスSの2着馬。昨年6月のデビュー戦は2着に敗れたとはいえ、勝ったのがのちに新潟2歳S、デイリー杯2歳Sを不敗のまま勝ち進んだセリフォスならば、この馬の価値を下げるものではない。
2戦目に勝ち上がり、前々走アルテミスSもサークルオブライフに食い下がる2着で、前走の阪神ジュベナイルフィリーズは外を回った分ゴール前で力尽きた。母は米仏の重賞勝ち馬で、半姉にはアドマイヤリードがいるドゥラメンテ産駒。どちらかといえば器用さを生かすような競馬が似合いそうな血統構成だが、今回は、これまで戦ってきた相手よりは楽なメンバー構成となった。本命に。
〇スターズオンアースはフェアリーS2着馬。ベルクレスタと同じドゥラメンテ産駒で、母の父にミスタープロスペクター直仔が配置されているところまで似ている。こちらは母サザンスターズがソウルスターリングと1歳違いの半姉という血統で、力でねじ伏せるような競馬が似合う。使われながら体重を増やしているのは好感で、まだまだ成長途上なのだろう。今回はもちろん先々まで楽しみな1頭だ。
▲モカフラワーは昨年の赤松賞4着馬。そのときはスターズオンアースと人気を分け合う存在だったが、出遅れてポジショニングが悪くなったうえに直線に向いたところではまだフラフラしながらも、最後は豪快に脚を伸ばして1番人気3着馬からクビ差4着だった。半兄にアサマノイタズラがいるスクリーンヒーロー産駒で晩成型。それでいて、デビュー戦から2戦連続33秒台の末脚には非凡なものを感じさせる。
1勝馬からはウインブライト半妹で奥深さを感じさせるレースを見せてくれた△ウインエクレールとステイフーリッシュの半妹△ラリュエル、ワールドプレミア半妹の△ショショローザをピックアップ。最後に△モズゴールドバレルの名前を挙げておきたい。