JRAでは年明け最初に行われるGIでもあるダートの頂上決戦。昨年覇者のカフェファラオをはじめとするリピーター勢、芝GIを2勝の白毛馬ソダシ、前哨戦の勝ち馬テイエムサウスダン・スワーヴアラミスなど今年も好メンバーが揃った。ここでは予想大会を勝ち上がり、今月予想家デビューを果たしたばかりの「馬ザンマイ」氏に展望を伺い、人気でも押さえておくべき馬と、気になる穴馬をそれぞれ3頭ずつ、具体的に挙げてもらった。
◆“ドハマり”が発生する可能性が
2022年のGI開幕戦フェブラリーSが今週末、東京ダ1600mで行われます。なかなかの好メンバーが揃い難解な一戦ですが、東京ダ1600mというコースの特徴から紐解いた展望を述べさせて頂ければと思います。
【コースの特徴:東京での好走実績がある馬を狙え!】
東京ダ1600mはトリッキーなコースで、芝スタートに始まり、緩やかなワンターンと、最後の直線は全場最長となる501.6mもありますので、トップスピードと長い直線に耐えられるだけの持続力が求められます。また、他場にはない独特な距離設定なので、ダ1400mでは距離が短かったり、ダ1800mでは距離が長かったりという馬がドハマりする可能性があります。それ故に、東京巧者が生まれやすい傾向にあるので、東京での好走実績には特に注意が必要です。
【展望:リピーターを狙え!】
まずは、フェブラリーS過去5年の前後半5FのLapを見てみましょう。
2021年 58.5-59.7
2020年 58.7-60.6
2019年 60.2-59.8
2018年 58.3-61.9
2017年 59.0-61.1
多少の馬場差はあれど、やはり昨年はレベルが高かったように思います。過去5年で前半5F59.0以下、後半5F60.0以下のレースは昨年のフェブラリーSを含めても3レースしかありません。
となれば、昨年の上位馬を高評価するのが妥当だと思うので、カフェファラオ、エアスピネル、レッドルゼルは人気でも押さえておく必要はあるでしょう。
妙味がありそうなのは、サンライズノヴァ。言わずと知れた東京巧者ですが、実はこの馬が2018年の武蔵野Sで出した前後半5FのLapは、58.6-59.9と昨年のフェブラリーSと比べても遜色ないレベル。自ら動いていけるタイプではないので、ハマり待ちなのは間違いないですがAJCCのマイネルファンロンの再現に期待したいです。
※AJCC時、独自のデータで抽出された2頭はキングオブコージとマイネルファンロンだったが、そこに主観を入れてしまいマイネルファンロンを切ってしまったという苦い想い出が…。
次に、2019年の覇者インティ。当時のように逃げ切って勝つだけのスピードは衰えてしまったかもしれないですが、昨年のレースのように差す競馬に徹すれば圏内ぐらいあってもおかしくないと考えます。昨年のレースは、直線で外に持ち出すまでにややスムーズさを欠いてしまい、追い出しが遅れた中での0.7差の6着(上がり2位の35.5)なら巻き返しは可能でしょう。
最後に、ケイティブレイブ。一昨年にシンガリ人気で2着に激走し、大波乱を演出したこの馬に、二匹目のどじょうを期待したい。過去の戦績を見てみると、東京ダ1600mでは5戦して0-1-1-3と一昨年の激走をフロック視されても何らおかしくない。しかし、一昨年のフェブラリーS以外は全て先行(4番手以内)しており、差した競馬はあの時のみ。であれば、もしかしたら差す競馬こそが本来この馬が持つポテンシャルを最大限に生かす脚質なのかもしれません。母父サクラローレルばりの末脚を期待します。
あとは、週末の天候や土曜日の馬場状態、枠の並び等で最終結論を出したいと思います。宜しくお願い致します。
(文=馬ザンマイ)