「阪急杯・G3」(27日、阪神)
重賞2勝の実績に加え、19年朝日杯FSでは
サリオスの2着もある
タイセイビジョン。その割に地味な印象がぬぐえないのは、善戦止まりの近況はもちろん、種牡馬として弾けなかった父
タートルボウルの影響が少なからずあるだろう。
社台グループの期待を背負って12年秋に来日したものの、目立った活躍馬を出すことはできず、17年6月に急死。日本でのもう一頭の重賞ウイナー・
トリオンフがそうであったように、産駒にセン馬が多いのは、父系に潜む気性的な難しさが災いしたのではないか。
一方で、
タイセイビジョンの母系はノーザンテースト〜エルコンドルパサー〜スペシャルウィークと名馬の血を重ねてきた。祖母ドリームスケイプは交流G1・4勝馬&ドバイG2・ゴドルフィンマイルを制した
ユートピアや、G3・2勝馬
アロハドリームの半妹。この一族は栗毛のムチッとした馬体&気の勝ったタイプがよく走るのかも知れない。
前走の阪神C4着は「折り合いもついて、直線はよく伸びてきたが、勝負どころで故障馬のあおりを受けたのが痛かった」と菊本助手。気性の激しさはあるものの、末脚の威力は一級品。久々の重賞Vで、再びスポッ
トライトを浴びてほしい。