【中山記念予想】中山適性だけでは不十分、ある条件でさらに絞り込める

2022年02月26日 12:05

東京競馬場でも勝利しているダノンザキッド(撮影:下野雄規)

 現役屈指の中山巧者が集い、前年の好走馬が繰り返し出走するイメージの中山記念。まずは2000年以降、中山記念の出走馬、延べ258頭を該当レース前に中山競馬場で勝ち鞍を持っていた馬と中山勝ち鞍を持っていなかった馬で2つに分けてみましょう。

勝鞍有
175戦【18-11-13-133】勝率10%、単勝回収率86%

勝鞍無
106戦【4-11-9-82】勝率4%、単勝回収率18%

合計数
281戦【22-22-22-215】勝率8%、単勝回収率60%

 たしかにその認識は間違ってはいません。やはり中山競馬場に勝ち鞍を持つ馬の優位は明らかです。

 しかしさすがに中山巧者が集うだけあって、出走馬の2/3ほどが中山競馬場勝ちの条件をクリアしており、これだけでは有用なデータとは言えませんね。そこでもうひと要素、ここからさらに該当レース前に東京競馬場で勝ち鞍を持っていた馬と東京勝ち鞍を持っていなかった馬の2つに分けてみましょう。

勝鞍有
114戦【15-4-10-85】勝率13%、単勝回収率123%

勝鞍無
61戦【3-7-3-48】勝率5%、単勝回収率16%

合計数
175戦【18-11-13-133】勝率10%、単勝回収率86%

 このレベルのGIIを勝ち切るには、中山適性だけでは不十分であり、東京競馬場でも勝てるぐらいの能力や多様性が求められていることが分かります。中山記念というレース自体、スローペースになりやすいことも影響しているのでしょう。

 これら2つの調査を統合し、該当レース前に中山と東京競馬場共に勝ち鞍を持っていた馬と中山と東京競馬場共に勝ち鞍を持っていなかった馬に分類した結果、下記のようなデータが検出されることになりました。これならかなり有用なデータが精製できたと言っても良いのではないでしょうか。

勝鞍有
114戦【14-4-10-85】勝率13%、単勝回収率123%

勝鞍無
167戦【7-18-12-130】勝率4%、単勝回収率17%

合計数
281戦【22-22-22-215】勝率8%、単勝回収率60%

 そこで今年の中山記念特別登録馬17頭を一覧してみたところ、前者に分類されるのは
カラテ
ガロアクリーク
ゴーフォザサミット
ダノンザキッド
トーラスジェミニ
レッドサイオン
の6頭であり、後者に分類されるのは
アドマイヤハダル
ウインイクシード
コントラチェック
ソッサスブレイ
パンサラッサ
ヒュミドール
マルターズディオサ
ルフトシュトローム
ワールドウインズ
ワールドリバイバル
の10頭だと判明しました。

 ちなみに中山と東京競馬場どちらにも勝ち鞍のない馬は2000年以降50戦【1-3-3-43】勝率2%、単勝回収率4%と、散々な成績になっています。2018年の1番人気5着ペルシアンナイトや3番人気8着ヴィブロスをはじめ、トゥザグローリー、レッドデイヴィス、リーチザクラウン、リルダヴァルなどの人気馬を多数そろえても1勝どまり(2004年のサクラプレジデント)というのは、これも特筆に値するデータなのかも知れません。今年は人気馬アドマイヤハダルも含めた4頭がこれに該当するという辺りもちょっとした考えどころになってきますね。

アドマイヤハダル
ソッサスブレイ
ワールドウインズ
ワールドリバイバル

 闇雲にデータだけを見るのではなく、まずは仮説を立てて、そこから裏付けとしてのデータ・リサーチ。ウマい馬券では、ここから更に踏み込んで中山記念を解析していきます。印ではなく『着眼点の提案』と『面倒な集計の代行』を職責と掲げる、岡村信将の最終結論にぜひご注目ください。

(文・岡村信将)

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