「ザ・ビッグキャップ」の愛称で親しまれている、アメリカ西海岸を代表する古馬戦G1サンタアニタH(d10F)が、5日にカリフォルニア州のサンタアニタ競馬場で行われ、トップハンデ(124ポンド=約56.2キロ)を背負った1番人気(2.1倍)のエクスプレストレイン(牡5、父ユニオンラッグス)が優勝を飾った。
ケンタッキー産馬で、祖母がG1アラバマS(d10F)など2つのG1を制したノヴェンバースノウ、従兄弟に日本で走りギャラクシーS(d1400m)やポラリスS(d1400m)を制したヒラボクワイルドがいるという血統背景を持つのがエクスプレストレインだ。
キーンランド・セプテンバーセールにて50万ドル(当時のレートで約5656万円)で購買されて、ジョン・シレフス厩舎に入厩。前走サンタアニタ競馬場のG2サンパスカルS(d9F)を制し、4度目の重賞制覇を飾っての参戦だった。
G3オクラホマダービー(d9F)勝ち馬で、今季緒戦の前走G3ルイジアナS(d8.5F)が3着だったウォーラント(牡4、父コンスティテューション、5.3倍の3番人気)が、2番手追走から3コーナーで先頭へ。3〜4コーナー中間でその外に馬体を併せていったのが、道中は3〜4番手外目で競馬をしていたエクスプレストレインで、ゴールまで続いた2頭の競り合いは、斤量が3ポンド重かったエクスプレストレインがウォーラントにアタマ差先着して優勝。昨年のこのレース2着を含め、G1ではここまで入着を5度重ねながら勝てていなかった同馬にとっては、待望のG1初制覇となった。
同馬を管理するジョン・シレフス調教師にとっては初めての、騎乗したヴィクター・エスピノーザ騎手にとっては3度目の、サンタアニタH優勝となった。
(文:合田直弘)