第51回戸塚記念が9月15日、川崎競馬場の2100mで14頭によって争われる。南関クラシック制覇まであと一歩だった馬の活躍する場面も多く、昨年の覇者・セイカメテオポリスは羽田盃で5着、東京ダービーで13着、ジャパンダートダービーで11着からの大逆転だった。また、過去牝馬の優勝は9回あるが、ミスアバンセが制した15年は3連単40万2040円の大波乱となっている。
12年のアスカリーブルは東京プリンセス賞、関東オークスを制しての参戦だった。今年は桜花賞、東京プリンセス賞の2冠を達成したスピーディキックが出走する。前走の関東オークスは3着だったとはいえ、勝ったのは次走で古馬を撃破し、ブリーダーズゴールドCを制したグランブリッジ。2着のラブパイローとは半馬身差で、もちろん地方馬最先着と力を示した。これまでの後方からの競馬から、先行策でも落ち着いた走りを見せ、距離適性を証明したのも大きい。地方馬同士なら違う。
そのスピーディキックの前に立ちはだかるのは、東京ダービー馬のカイル。半姉は南関牝馬2冠のトーセンガーネットという良血馬だが、初勝利までに4戦を要し、2歳の時点で9戦という苦労組。南関クラシック戦線では京浜盃2着、羽田盃6着と重賞制覇に届かなかった。しかし、前走の東京ダービーで本領発揮。直線で4頭横並びから抜け出すと、さらにスピードアップ。一完歩ごとに後続を引き離し、2馬身差で完勝した。使いつつ成長し本来のすがたを取り戻した今なら、初距離でも強い競馬を見せてくれるはずだ。
ライアンの東京ダービー15着の大敗はアクシデントによるもので参考外。羽田盃は直線後方から一気に前をゴボウ向きにして首差2着にきた。父ディープインパクト譲りの瞬発力は本物で、直線の長い川崎なら一発があっても不思議はない。
休み明け2連勝で、前走のトライアルの芙蓉Sを制したグッドボーイ。折り合いに苦労がないタイプで、100m延長への不安はない。勢い十分でだけに侮れない。その芙蓉Sで3着だったファルコンソードは、ブリンカー着用の前走でハナを切るなどレースぶりが一変。最内枠を引いただけに、侮れない存在だ。
(文:スポーツ報知記者・志賀浩子)
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