集中した走りを見せたドウデュース(カメラ・高橋 由二)
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シャンティイ(フランス)28日=水納 愛美】JRA馬券発売レースの第101回凱旋門賞・G1(10月2日、パリロンシャン競馬場)の登録馬23頭が発表された。武豊騎手(53)=栗東・フリー=はコンビを組むダービー馬
ドウデュースの最終追い切りを見守り、現地で会見。「僕が勝ちたい」と改めて日本勢初勝利への思いを打ち明けた。
ステイフーリッシュに騎乗するクリストフ・ルメール騎手(43)=同=が同席した異例の会見は約50分間に及び、注目度の高さをうかがわせた。
朝日の光に包まれたエーグル調教場に、リズミカルな蹄(ひづめ)の音が響いた。
ドウデュースが芝の周回コースを堂々と駆け抜ける姿に一瞬、フランスの乾いた寒さを忘れた。15秒―15秒の落ち着いたペースで始まり、最後の直線も軽めに追われたのみ。それでも雨水をたっぷり含んだ馬場をしっかり蹴り上げた。その脚取りに、ダービー馬の風格を感じた。
現地で重視されてきたのは“いつも通り”であることだ。1週前に負荷をかけ、当週はソフトに調整するのが友道厩舎流。フランスでもその手法は崩さず、先週に僚馬
マイラプソディと併せた分、この日は単走だった。国内での最終追い切り同様に助手がまたがり、武豊はそばで動きを見守った。友道調教師は「いつも通りの追い切りと雰囲気だった」と満足そうだった。
武豊をはじめとする陣営はかねて「右手前で走るのが好き」と指摘。4着に終わったニエル賞でも、終始右手前のままだった。今回の追い切りは手前の替え方がポイントの一つだったが、直線に入るとスムーズに左手前にスイッチ。課題の修正もしっかりと印象づけた。胸を張って本番に臨める態勢は整った。
◆手前とは 馬が走る際、左前脚よりも右前脚を前に出すのを「右手前」、その逆を「左手前」という。パリロンシャンのような右回りコースのコーナーは、右手前で走らないと遠心力で外に膨らんでしまう。同じ手前で走り続けると疲労がたまるため、直線では手前を替えることも必要になる。