2020年の南部杯を日本レコードで制した当時のアルクトス(提供:岩手県競馬組合)
2020年10月のマイルCS南部杯(JpnI)をダート1600mの日本レコードタイムである1分32秒7の走破時計で完勝し、翌年の同競走を連覇したアルクトス(牡7、美浦・栗田徹厩舎)が競走馬生活を引退することが分かった。10日、同馬の所有者である山口功一郎氏が自身のTwitterで報告した。
アルクトスは父アドマイヤオーラ、母ホシニイノリヲ、母の父シンボリクリスエスという血統。
2017年10月に東京競馬場で行われた2歳新馬戦でデビュー。翌2018年2月、2走目となった3歳未勝利戦を勝ち上がり、同年6月に500万下戦、猪苗代特別(1000万下)を連勝すると、11月の錦秋S(1600万下)を勝利しオープンクラス入りを果たした。
2019年4月のオアシスS(L)、5月の欅S(OP)を連勝し、7月のプロキオンS(GIII)で重賞初制覇。GI級競走初挑戦となった同年のマイルCS南部杯では勝ち馬サンライズノヴァから1馬身半差の2着に好走した。その後は1年間に4、5戦のペースで出走を重ね、2020年の南部杯でJpnI初制覇、昨年のさきたま杯(JpnII)で重賞3勝目を飾り、続く南部杯で連覇を達成した。通算成績は24戦10勝。3歳時の5月以降、一貫して田辺裕信騎手が鞍上を務めた。
【山口功一郎氏のTwitterより】
「アルクトス、南部杯3連覇を目指しましたが、年齢や8ヶ月ぶりで本来の勢いがありませんでした。長らく球節の不安と戦いながらの現役生活でした。
私にとって初の重賞制覇からJpnI制覇まで成し遂げてくれて本当に感謝しています。ここで引退しようと思います。今まで応援ありがとうございました」
また、同馬が優駿スタリオンで種牡馬入りを予定していることも山口氏の投稿で明かされている。アドマイヤオーラの後継としては南関東競馬で現役生活を送ったハウライトに続く2頭目の種牡馬入りとなる。