「秋華賞・G1」(16日、阪神)
両前脚の剥離骨折でオークスV以来の実戦となる
スターズオンアースは12日、美浦Wでルメールを背に1馬身先着を決めた。追うごとに良化しており、史上7頭目となる牝馬3冠に向けて視界は良好だ。
美浦Wで併せ馬。1馬身先着を決めた。直線に向くまでは
ソーラーフレア(7歳3勝クラス)の3馬身後ろで抑えていた
スターズオンアースだが、3〜4角の内めを回って差を詰め、軽く促されると一気に加速。最後は1馬身差をつけた。タイムは6F84秒2-36秒9-11秒6。ルメール、高柳瑞師との一問一答は以下の通り。
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◆C・ルメール騎手
-追い切りの感触は。
「1週前の段階で、もう状態は良かったですね。だんだん状態が良くなってきていて、今週は大体トップコンディション。すごくいい感じでした。直線もペースアップしていたし、反応も速かった。息(の入り)も良かった。G1でも勝つ自信があります」
-オークスを振り返って。
「強いメンバーでもすごくいい競馬をしてくれました。本当の能力を見せてくれましたね」
-春からの成長は。
「
パワーアップしました。もともと大きい馬で馬格は変わらないけど、エンジンもいいし、肉体的にもいい」
-牝馬3冠が懸かる。
「
トライアルを勝ってきた馬もオークス2、3着馬もいる。メンバーは強い。勝つには能力がいる。でも、
スターズオンアースにとってはビッグチャレンジです。そこへの
モチベーションは大きい。ぜひ3冠を獲りたいです」
◆高柳瑞樹調教師
-オークスで2冠達成。
「大外枠は正直なところ有利ではないと思っていましたが、スタートを決めてポジションを取れたのが良かったです。ゴール前は見ての通り、素晴らしかったですね」
-レース後に両前の骨折が判明。
「手術後は山元トレセンで順調でした。ただ、健康な馬を休ませての立ち上げではないので、多少の影響はあると思います」
-今週の追い切りの動きは。
「良かったです。1週前は2週前より1段階上がった感じ。今週の併せ馬は、先週に比べてさらに上がりましたね」
-春はモタれ癖が課題だった。
「モタれるのは、今でも完璧とは…。マシかな、というぐらいです。体は少し大きくなったかと思います。もともと能力が高いので、それを維持するという感じです」
-舞台は阪神二千。
「東京よりは、やはり小回り。スムーズな競馬をしてほしいです。ただ相手もいることですからね。乗り方はルメール騎手にお任せします」
◆タイムはオークス時の6F83秒4-37秒6-11秒9と比較しても劣らず、動きに関しても申し分なし。迫力の中にも気品があり、“これぞ2冠女王”といった風格をまとっている。
正直なところ、ここまで状態が戻るとは思っていなかった。2週前の動きは重く、調教パートナーに手応え劣勢。本番に間に合うのか怪しいとすら思っていたが、1週前に杉原(レースはルメール)が騎乗してからスイッチが入った。骨折の影響はなく、少なくとも“ぶっつけ本番”を理由に割り引く必要はなさそうだ。