暮れに行われる中山大障害への
ステップレース的位置づけにあるレースで、休み明けの馬が多く難解だ。
このレースは2角のポケットからスタートして3110mの距離に、2つの大いけ垣と大竹柵など13の障害が置かれている難コースだが、ポイントは最終障害をクリアしてからゴールまで400m弱の直線平地コースを走り切らなければならないこと。障害センスはもちろんだが、平地の脚も求められるコース設定になっている。
◎
ホッコーメヴィウスは昨年の2着馬で、当時、
ラヴアンドポップには屈したものの今回と同じ斤量差だった
オジュウチョウサンの追撃を退けている。
近2走は新潟ジャンプS、中京競馬場の阪神ジャンプSと重賞2連勝。ダイワメジャー産駒らしい逃げ、先行力と粘りを武器にハードル界を引っ張るような存在にまでなった。東京コースは3戦して2着3回。勝ちきれないまでも長い直線を走り切れる脚力を示しており、堅実な成績を残している。
休み明けの馬が多い組み合わせだけに使われている強みを生かしたい。
〇
オジュウチョウサンはハードル界における生きる伝説。その実績は改めて紹介するまでもない。他と比較して2kg重い62kgも背負いなれたもので、63kgで春の中山グランドジャンプを勝っているくらいだから問題はないはず。
ただし、若いときは能力の差で勝ってはいるがどちらかといえば中山向き。年が明ければ12歳という年齢と休み明けの1戦ということもあってやや評価を下げた。
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スマートアペックスは昨年6月の東京ジャンプS優勝馬。平地競走で初勝利を記録した直後にハードル界へと舵を切り、入障3戦目で初勝利。
重賞初挑戦となった阪神スプリングジャンプは
メイショウダッサイの2着で、中山グランドジャンプ4着。次代のハードル界を担う存在だ。昨年の東京ジャンプSで重賞初勝利を記録したあと長期休養を余儀なくされ、1年3か月ぶりのダート1200m戦を叩かれて、ここに挑んできた。
さすがにダートの短距離戦では後方をついて回るだけだったが、実戦を経験した強みもあるはずで息さえ持てば好勝負できるはず。
△
メイショウウチデは昨年の東京ジャンプS3着。ハナ差の激闘を演じた
スマートアペックスと
ホッコーメヴィウスに1馬身差と迫った。その後1年以上の休養を挟んで連続2着。前走はつかみかけた勝利を小倉の鬼に奪われたが、夏場に使われてきた強みを生かしたい。上位馬と差はない印象だ。
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レオビヨンドも注目だ。昨年春に障害へと転じて以来、センスの良さと平地準オープン級の脚力を見せている。目標は中山大障害だろうが、ここでも目途は立てておきたいところだ。