兵庫クイーンカップを制覇したベニスビーチと関係者(撮影・中山伸治)
「兵庫クイーンカップ」(27日、園田)
開催最終日の11Rで行われ、4番人気で金沢の
ベニスビーチが道中最後方から巻き返し、直線で大外を突き抜けた。2着は1番人気で高知の
アンティキティラが最終3角から先に仕掛けて粘り、3着には5番人気で地元の
ナナカマドカが内を伸びて続いた。
ベニスビーチが予想外の展開を克服して重賞3勝目を挙げた。「操縦性が良くて、どこからでも競馬ができるのが強み」と吉原寛。2021年のサラブレッド大賞典、加賀友禅賞の地元重賞では先行力を発揮したが、今回の遠征では最後方から馬群を縫って突き抜けた。
レースでの
ベニスビーチはまさかの出遅れ。「スタートでトモを滑らせた。ゴチャつくのをしのぐより、後ろでゆっくりと気分良く走らせたかった」と鞍上。逃げた
ステラモナークが正面でペースを落として先団は渋滞。最終3角からスパートした
アンティキティラをマークして、「反応にしびれた」と直線で外に持ち出すと加速が違った。
吉原寛が兵庫の重賞を勝ったのは、20年の兵庫ゴールドカップ以来で4勝目。「久しぶりに勝てて良かった。金沢の馬が少ない遠征のチャンスで結果を出せたのもうれしい」。重賞通算124勝の手腕を全国のファンに再認識させた。