ラスト重点ながら坂路でシャープな反応を見せたダノンタッチダウン
◆朝日杯FS追い切り(12月14日、栗東トレセン)
仁川マイルで争われる2歳の頂上決戦、朝日杯FSに向け、東西トレセンで14日に行われた追い切りは熱を帯びた。
ダノンタッチダウン(牡、栗東・安田隆厩舎)は坂路で馬なりながら気配は時計以上に迫力満点。
筋骨隆々な前脚でしっかりと踏み込んだ。
ダノンタッチダウンの最終追い切りは栗東・坂路での単走。安田隆調教師が「いかに
リラックスして調教をこなせるか」と説明するように、手綱はほとんど動かさなかった。しかし、急勾配となるラスト1ハロンを迎えても、加速度は増していくばかり。全体時計は55秒5と地味。しかし、全くの馬任せながらも右肩上がりのラップを刻む好内容だった。
「フットワークは見た感じ、よかったです。先週にビッシリとやって、態勢は整っていますから」とトレーナーはうなずいた。兄
ダノンザキッドとの史上4組目となる2歳G1きょうだい制覇がかかる一戦。しかし、兄よりも「カナロアによく似ています」と自らが手がけ、誰よりも知り尽くす偉大な父の姿をダブらせる。「カナロア(の子供)は競馬を使うごとに良くなりますからね。それに、この時期もすごくいいんです。本当にいい形で競馬に臨めると思います」とこの日も気温5度まで下がった栗東で、満足そうに説明した。
兄の
ダノンザキッドはマイルCS、香港Cで人気薄ながら2着に入るなど、本来の輝きを取り戻しつつある。デビュー当初に所属していた弟子で、手綱を託す川田は先週の阪神JFで
リバティアイランドを2歳女王へ導いた。「弟にも頑張ってほしいですね。トモ(後肢)が甘いので、後手になることがあるのが心配ですが、あとはジョッキーにお任せして、いい結果を待ちたいと思います」。しっかりと感じている強く、確かな追い風。勝利への
タッチダウンを決めるか。(山本 武志)