石神を背に引退式を行ったオジュウチョウサン(撮影・三好信也)
「中山大障害・JG1」(24日、中山)
丸8年、苦楽をともにした長沼厩務員の自然とこぼれる涙が全てだった。
「元気に戻ってきてくれたのが一番。別れたくない」
数々の記録を打ち立てた“障害の絶対王者”
オジュウチョウサンの長く、勇敢な戦いがついに終わった。
ラストランは過去3度制した中山大障害。4、5番手から運んだが、早めに仕掛けた
ニシノデイジーに反応することができない。1番人気に支持されたが6着。それでも惜しみない大きな拍手が送られた。石神は「絶対勝ってやろうと思ったけど甘くなかった。でも、無事にゴールしてくれたのがうれしい」とパートナーをねぎらった。
今後は北海道日高町の坂東牧場で種牡馬となる。最終レース後に障害馬としては80年バローネターフ以来となる引退式が行われ、1万5000人余のファンが別れを惜しんだ。最後の花道では立ち止まって写真撮影。「オジュウ、ありがとう」。いつまでも感謝の声援が鳴りやまなかった。