23年クラシックの行方を、馬トク取材班の東西POG担当がズバリ占った。2歳戦を総括し、美浦・坂本達洋記者、栗東・
ヤマタケ記者(1月からデスクに就任)ともに「牡馬は混戦」「牝馬は1強ムード」と分析。まだ大舞台で名乗りを上げていない“隠し玉”が次々と飛び出した。
ヤマタケ(以下「ヤ」)「牡馬クラシック戦線の展望と言われても困るなぁ」
坂本(以下「坂」)「素質馬ぞろいと評判だったホープフルSはスローの行った行ったによる決着。力関係の比較が難しいですよね」
ヤ「朝日杯FSも、マイル色の強い一戦だったかな」
坂「ダービー馬はG1以外の別路線組から出ます。
ダノンザタイガーです。東京スポーツ杯2歳Sで2着ですが、国枝調教師は『本当に良くなるのは先だけど、動きはいい感じ』と。共同通信杯での復帰が待ち遠しい。厩舎悲願の牡馬クラシック制覇を期待です!」
ヤ「どの馬にもチャンスがある大混戦。俺は
セレンディピティ(父
ドゥラメンテ)を追いかけたい。ホープフルSでも本命にしたけど、先物買いだった。成長力には驚かされたし、本当に素質は高いよ」
坂「私の本命
キングズレインは展開に泣きましたが、負けて強しの3着でした」
ヤ「けど、皐月賞馬は手塚厩舎の違う馬?」
坂「京成杯を予定する
ソールオリエンス(父
キタサンブラック)ですね。手塚調教師が『クラシックに乗せたいと思わせてくれる馬』とぞっこんです」
ヤ「俺の注目は須貝厩舎。
ドルチェモアはもちろんだけど、須貝師が『乗せないといけない』と何度も口にしている
フリームファクシ(父
ルーラーシップ)は覚えておいてほしい」
坂「本当に今年は絞りづらいですねぇ」
ヤ「俺は楽しみしかない。高配当がたくさんありそうで…」
坂「ちゃんと仕留めれば、の話ですね」
ヤ「…」
〈牝馬は
リバティアイランド1強か〉
坂「牝馬は“1強ムード”とみます。阪神JFを完勝した
リバティアイランドが強い。直線で大外から一頭だけ脚いろが違いました」
ヤ「確かに強いけど、この横綱を倒す存在を探すのがミッション(笑い)。窮屈な競馬になったとはいえ、アルテミスSでは負けたからなあ」
坂「なるほど。私は国枝厩舎に現時点で目立った馬がいなので、手堅くオークス候補に指名しましたが…」
ヤ「アルテミスSの勝ち馬、
ラヴェルの巻き返しにも注目だが、未知の魅力なら同じレースで窮屈な競馬を強いられた
デインバランス。それでも、4着と力がある。桜花賞候補にピッタリやで」
坂「あとは阪神JFの大敗組の取捨ですね。良血馬の
ウンブライルは15着に敗れましたが、出遅れや直線で挟まれるなどちぐはぐな競馬でした。追い切りで横山武騎手が背中の感触を絶賛していたように、粗削りながら素材は一級品でしょう。12着に終わった
モリアーナ(父
エピファネイア)も、タフな競馬をしてこなかった経験値の差が出た印象。まだまだ伸びしろは十分とみて、私はこの馬を桜花賞候補に」
ヤ「オークスは、友道調教師が適性をかなり感じ取っている
ハーパー(父ハーツクライ)。未勝利を勝ったばかりだけど、中長距離の馬づくりでは経験&実績豊富な厩舎だけに、ベストなローテ&成長を加えてくるとみた。何とか間に合ってほしい!」
坂「超大穴候補なら国枝厩舎の
モリーダーリン(父ハーツクライ)。キャリア2戦の未勝利馬ですが、調教の動きなどから大化けしても」