愛知杯に出走予定のマリアエレーナ(c)netkeiba.com
JRAは今年から「騎手の健康と福祉および将来にわたる騎手の優秀な人材確保の観点」を理由に、負担重量を引き上げた。そのため、ハンデ戦でも各馬、以前に比べると1kg重たい重量を背負うことになっている。
愛知杯(4歳上・GIII・中京芝2000m)では、トップハンデの
マリアエレーナ(牝5、栗東・吉田直弘厩舎)が56.5kgを課された。前々走の小倉記念では、後にエリザベス女王杯を制する
ジェラルディーナ(3着)を圧倒。前走の天皇賞・秋でも序盤で大きな不利がありながら、0秒7差の7着。牝馬では現役トップクラスの実力を持っているだけに、酷量もやむなしと言えるだろう。
ただ、牝馬が平地のハンデ戦で56kgを超える重量を克服することは簡単ではない。勝てば09年愛知杯の
リトルアマポーラ以来、13年1カ月ぶり。その後は12頭が56.5kg、4頭が57kgを背負ったが、5回ある2着が最高着順となっている。
マリアエレーナは酷量克服で2つ目の重賞タイトル獲得となるか。歴史の扉を開けることができれば、今年の飛躍は約束されたも同然だ。
【00年以降、平地のハンデ戦で56.5kg以上で勝った牝馬】
・00年1月5日・京都金杯・
キョウエイマーチ(57kg)
・00年9月23日・ギャラクシーS・
ゴールドティアラ(56.5kg)
・01年9月29日・
シリウスS・
ブロードアピール(57kg)
・06年6月11日・CBC賞・
シーイズトウショウ(57kg)
・07年12月15日・愛知杯・
ディアデラノビア(57kg)
・09年3月15日・中山牝馬S・
キストゥヘヴン(56.5kg)
・09年12月19日・愛知杯・
リトルアマポーラ(56.5kg)