未勝利以来の2勝目を狙うエゾダイモン(ユーザー提供:ワラビさん)
サウジで、阪神で、洞爺湖育ちの若駒から目が離せない。北海道洞爺湖町のレイクヴィラファーム生産馬は、サウジアラビアのサウジダービー(3歳・沙G3・ダ1600m)にコンティノアール(牡3、栗東・矢作芳人厩舎)がエントリー。また、阪神のすみれS(3歳・リステッド・芝2200m)ではアヴニールドブリエ(牡3、美浦・宮田敬介厩舎)とエゾダイモン(牡3、栗東・武幸四郎厩舎)がクラシック出走に向けて賞金加算を目指す。
胸が高鳴る週末だ。良血3頭の決戦を前に、レイクヴィラファームの岩崎義久マネージャーは「牧場も盛り上がってますよ」と笑みを浮かべる。コンティノアールは父ドレフォン、母パンデリングはアーモンドアイの半姉という血統馬。「お母さんは骨に疾患があって未出走でしたが、縁あってうちの牧場で繁殖になりました。ドレフォン産駒ですし、小さい頃から馬格もあったので、ダートでいいんじゃないかなと思っていましたが、ここまでの3戦、本当にいいレースをしてくれていますね」と振り返る。今回のサウジ遠征については、矢作師の英断に感謝しきり。「夢を持たせてもらえて本当に嬉しいです。今回の結果次第では、もしかしたらケンタッキーダービーに行けるかも…と。そう思えることは、生産者冥利につきますからね」と嬉しそうに語った。
すみれSに出走する2頭は昔懐かしいメジロ牝系の出身だ。エピファネイア産駒のアヴニールドブリエの祖母は名牝メジロドーベル。一方のエゾダイモンは香港ヴァーズを2回制したグローリーヴェイズの半弟で、曾祖母にはメジロラモーヌの名前がある。「この世代の生産馬では、この2頭がワンツーの評価を受けていました」と岩崎マネージャー。「エゾダイモンは生まれた瞬間に『この馬でダービーを獲るぞ』って思ったぐらいに素晴らしい馬でした。ここ2戦は本来の力を出し切れていない印象ですが、もっと走れると思います。アヴニールドブリエは大型でまだ緩さがありますが、それでも2連勝ですからね。正直、エース級の2頭が同じレースでぶつかるのはつらい部分もありますが、どちらかが勝ってくれると信じています」と力強く語った。
レイクヴィラファームの生産馬では、不動のエースだったグローリーヴェイズが昨年の香港ヴァーズ(3着)を最後に引退し、今年から種牡馬となった。その後継者となるのはどの馬か。そういった意味でも3頭の走りに注目したい。