4月25日に中山競馬場で開催される「JRA
ブリーズアップセール」に向けて、育成馬展示会が2週にわたって行われる。まずは4月4日、宮崎育成牧場で実施された。前日の深夜に通り雨があったが、当日は天気に恵まれ、多少蒸し暑く感じた。午前10時から22頭(牡、牝とも11頭ずつ)が比較展示に登場。全馬の展示が終わった後、3班に分かれて調教供覧が行われたが、馬主や調教師、牧場関係者が真剣なまなざしでチェックしていた。
調教供覧は2頭併せが基本だが、1班と2班では単走がいた。
ブリーズアップの意義である「時計よりも走法や出来栄え」をアピールし、13―13を意識しながら調教供覧に向かっている。1班で単走だった
スルージエアーの2021(牡、父
マインドユアビスケッツ)が、2ハロン23秒8―12秒0の一番時計をマークした。
スルージエアーの21は
デルマソトガケなど初年度産駒が大活躍の
マインドユアビスケッツ産駒であるとともに、3代母が
ウインドインハーヘアという牝系。比較展示から関係者の目を引き、大きなス
トライドでゴールまで駆け抜けた様子を含め、宮崎組では注目の的となった。
また、
ヨカヨカと同じ本田土寿さんの生産馬である
プリンセスゴールドの2021(牝、父ケイムホーム)は祖母が
ゴールデンサッシュというファミリー。
セキサンキセキの2021(牝、父
リアルインパクト)の内に併せた調教供覧では、2ハロン25秒5―1ハロン12秒7と上々の動きを見せた。本田土寿さん生産の
ブリーズアップ出身馬は
ヨカヨカの後も、
ヒノクニがひまわり賞などJRA2勝。
オバケノキンタは、九州産限定の未勝利を勝ち、佐賀のたんぽぽ賞を逃げ切るなど、毎年活躍馬を送り出している。
九州の温暖な気候のもと、どの馬も毛づやの良さが目立つ。昨年とほぼ同じような過程で育成してきたようだが、1歳のうちの昼夜放牧の時、放牧地でのパートナーを細かく変える試みを行ったとのこと。様々な馬と接することで、馬同士のコミュニケーションを取ったり、放牧地での運動もしっかり行った効果で、集団での騎乗が始まった後も
テンションが上がる馬はほとんどいなかったそうだ。
また、人が乗ることの重要性を感じ、トレッドミルを併用した乗り運動の質と量をより意識した世代でもある。宮崎の育成馬で代表される
ヨカヨカの活躍を追いかけ、昨年は
ウメムスビがカンナSを制し、朝日杯FSに駒を進めた。今年も
ヨカヨカを超えるような逸材が登場することを願うばかりだ。
来週は4月11日午前9時から、日高育成牧場で育成馬展示会が行われる。(競馬ライター)