「皐月賞・G1」(16日、中山)
50歳を迎えた私の世代でギリでしょうが、栗東には“布施系”という厩舎が存在しました。黄色に統一された厩舎服が特徴的で、布施正師の義理の息子にあたる岩元、新川、柴田光は直系。岩元師の弟子にあたる鈴木孝師は、今でも黄色い厩舎服を踏襲しています。
その布施系の名残が血統表に現れているのが、豊富なキャリアを武器にクラシックへ挑む
トップナイフ。彼の
タフネスぶりは、重厚感のある母系から来るものでしょう。
祖母の
ビクトリーマッハは、僚紙・馬サブロー在籍時に私が担当していた新川厩舎の出身。父は布施正師&岩元騎手で82年日本ダービーを制したバンブーアトラスで、母は岩元師が手掛けた最高傑作テイエムオペラオーの母として知られる
ワンスウエド。代を重ねて再びこの血がクローズアップされるのはうれしい限りです。
テイエムオペラオーのめいにあたる母ビーウインドに、22年の新種牡馬デグラレーションオブウォーを迎えたことで母系が活性化。本質的には奥手のタイプでしょうが、ダンジグ系の
スピードが加わったことで、早い段階から頭角を現しました。オペラオーが初タイトルを手にした皐月賞(99年)を制して、再び一族に光を当ててほしい。(デイリースポーツ・松浦孝司)