フローラSに出走予定のイングランドアイズ(c)netkeiba.com
2着以内馬にはオークスへの優先出走権が付与される重要なステップレースだが、今年に関して言えば2勝馬が1頭で、残りはすべて1勝馬。その1勝馬もキャリア1戦の3頭含め、前走で初勝利を記録した馬が6頭と難解だ。過去10年間で、ここをステップに挑んだ馬はユーバーレーベンの1勝含め【1-4-2-38】。いかに余力を残したまま本番への出走権利を取るかがポイントになりそうだ。
◎イングランドアイズは阪神競馬場芝2000m新馬戦で、のちにクイーンCに勝ち桜花賞4着ハーパー、フラワーC1番人気マテンロウアルテらを破って勝ち上がり、前走クイーンCは7番人気4着。出遅れて最後方からの競馬となり、最後の直線はごちゃついたインコースで何度も前が詰まりながらも最後まで闘志衰えずに伸びてきた。420kg台という小柄な馬だが、さすがオークス馬ヌーヴォレコルト産駒といったところか。2戦のキャリアながらもいずれのレースでもハーパーと差のない競馬をしているあたり、世代でもトップクラスの能力を感じさせる。
〇キミノナハマリアは君子蘭賞優勝馬。レース序盤は後方に控えていたが、途中でポジションを上げると最後は楽に抜け出して後続に3馬身差をつけた。コンスタントに使われながらも体重を増やしているのは好感。瞬発力には欠く印象だが、今回の組み合わせでは豊富なキャリアと立ち回りのうまさは大きな武器になりそうだ。
▲ソーダズリングは阪神競馬場芝1800m未勝利戦優勝馬。脚部不安のために遅いデビューとなったが、経験馬相手のデビュー戦はハナ差2着と健闘。終始、馬群の中にいるような状態で、最後の直線に入ってもなかなか前があかずに苦しい競馬になったが、進路を確保すると鋭く伸びてきた。前走は好位の外目をキープ。稍重発表だったが、残り200m付近で先頭に立つと、最後は11.4秒のラップで後続を突き放した。母は桜花賞3着馬。まだまだ奥がありそうだ。
△レシプロシティは阪神競馬場芝2000m未勝利戦優勝馬。結果論から言えば中山マイルのデビュー戦は太めだったのかもしれない。スタートで後手を踏み、道中はやや行きたがるようなところを見せながら追い上げたが最後は息切れ。大きく体重を絞って挑んだ前走はスタートでぶつけられるような不利を受けたが、すぐにリカバリーして離れた3番手から最後の直線であっさりと抜け出した。血統からもまだ奥がありそうだ。
最後に名前を挙げておきたいのは△クイーンオブソウル。エルフィンS4着、アネモネS3着なら世代上位の存在。そのキャリアを無視することはできない。