◇鈴木康弘氏「達眼」馬体診断
ジャックドールの明るい栗毛が黄金色の光沢なら、
セリフォスの栃栗毛に近い濃い栗毛はチョ
コレート色に輝いています。後肢に付けた星印の
マーキングがくっきりと映るほど皮膚の状態もいい。
ジャックドールが
モーリス譲りなら、こちらは筋肉マッチョで知られた父ダイワメジャーの特徴を体現しています。トモと肩に備えているのはひと目で短距離ホースだと分かる大きな筋肉。相変わらず腹周りは細めですが、トモと肩の筋肉は3歳秋よりもさらに強度を増しています。鋼のように強じんになりました。
立ち姿はダイワメジャーよりも穏やかです。前進気勢を前面に押し出した父とは対照的な落ち着き払ったたたずまい。引き手を遊ばせながらゆったりとハミを受けている。目、耳、鼻先を正面の1点に集中させ、四肢は
バランス良く大地をつかんでいます。
子母沢寛の時代小説「父子鷹」によると、勝海舟は血の気が多い父・勝小吉とは対照的に冷静沈着だったようです。父ダイワメジャーが16年前に制したタイトルに父以上の落ち着きで挑む
セリフォス。ターフ界の父子鷹です。