前走からさらに攻め込み、昨年以上の出来というソングライン(中)
◆安田記念追い切り(5月31日、美浦トレセン)
春のマイル王決定戦、第73回安田記念(4日、東京)の追い切りが5月31日、東西トレセンで行われ、ヴィクトリアマイルの覇者、
ソングラインはもう一段攻め込んで連覇に挑む。抜群の動きをイシゴー(石行佑介)記者が「見た」。
前走のヴィクトリアマイルで昨年のリベンジを果たした
ソングライン。当時の馬体重は過去最高となる488キロ。デビューから3年近くを経て、肉体面はまだまだ進化を遂げている。さらに昨年に続く中2週の臨戦過程ながら、メンタル面もどっしりとし、不安なく臨める点も牝馬としては心強い限りだ。1週前追い切り後に林調教師が「去年のヴィクトリアマイルの後でもう一段攻め込んだことで、一段階(上が)ありました」と昨年Vの要因を語った。連覇へ向け今年も同様に、この中間はしっかり攻められている点に好感が持てる。
最終追い切りは1週前の再現VTRを見ているかのようだった。美浦・Wコースで戸崎が手綱を執り、3頭併せの真ん中へ。外
ヴァンナチュール(3歳未勝利)を3馬身追走し、内の
パライバトルマリン(3歳2勝クラス)から2馬身先行してスタートした。道中の脚さばきは先週に比べ、さらに素軽さが増した印象。最後の直線で先週は軽く気合をつけられたが、今週はほとんど鞍上の手綱は動かず。先週より0秒7速い5ハロン67秒3でフィニッシュし、ラスト1ハロンも11秒3。グンと抜け出す脚が鋭く、抜群の反応を見せた。
戸崎が「ヴィクトリアマイルの時よりも動きが良くなっている」と口にすればトレーナーも「大変いい動きだったと思います」。前走時の最終追い切りが5ハロン67秒6―11秒3。時計的にはほぼ変わらないが、中間でさらに攻め込んでのものだけに、中身の面ではさらに上向いていることは明白だろう。昨年の経験に裏打ちされた、勝負仕上げといえる。(石行 佑介)