エンブレムボムと思われて調教されていたエコロネオ=撮影23年8月9日
19日の新潟3Rで、出走を予定していた
エンブレムボム(牡2歳、栗東・森秀)が、別の馬との取り違えが判明したため競走除外となった。
エンブレムボムと思われたのは同じ厩舎の
エコロネオ(牡2歳)。2頭は米OBS
マーチセールで購入され、7月28日にそろって栗東へ入厩。今月2日に森秀師立ち会いのもと、ゲート試験に合格した。ここまでは2頭をきっちり判別できていたが、5日の栗東坂路での調教の際、互いのゼッケンを間違えて装着してしまい、そのまま
エンブレムボムは
エコロネオに、
エコロネオは
エンブレムボムとして調教を継続。レースへのエントリーも、2頭を錯誤したまま行ってしまったという。
2頭の入れ替わりが分かったのはレース当日の午前10時25分ごろ。直前まで1番人気に推されていたものの、埋め込まれたマイクロチップと馬体の特徴による照合により発覚した。2頭は同じ毛色(鹿毛)だが、額の星などが違い、馬体重は30キロほど差があるという。なお、“本物の
エンブレムボム”は12日に
エコロネオ名義で放牧に出ている。
JRAによると、近年では1989年に“取り違え”による2例の除外事例があり、今回は34年ぶりの珍事に。森秀師は過怠金として最高額となる50万円を科せられた。師は「担当制でなく、1頭の馬に携わるスタッフが日ごとに変わることが、取り違いに気付かなかった要因ではないか」と話しているといい、自身が3〜11日まで米国に出張していたことも、発覚が遅れた理由の一つとしている。