ゴール前きっちり外から差し切ったジョエル。鞍上の所は重賞初制覇に右手でガッツポーズを作ってゴール
S3「第33回埼玉新聞栄冠賞」が18日、浦和競馬場で行われた。4番人気の
ジョエルがゴール前の混戦を制して優勝。21年黒潮盃以来となる重賞3勝目を挙げるとともに「第44回浦和記念」(Jpn2、11月23日、浦和)の優先出走権を手にした。今年デビューの所蛍(18=張田)は南関重賞2度目の騎乗でうれしい重賞初勝利となった。
ルーキーが大仕事をやってのけた。自厩舎の愛馬・
ジョエルとともに先頭でゴールを駆け抜けた所は、スタンドに向けて右手を上げた。「シンプルにうれしい。馬に感謝しかない」。派手なパフォーマンスとは打って変わり、お立ち台では控えめ。実感が湧かないといった表情で振り返った。
6月から約3カ月間、高知で武者修行。その成果か、デビュー1年目とは思えない冷静な騎乗だった。外めの10番枠から好スタート。3、4番手で折り合いをつけた。3コーナーで激しく手を動かしてスパートの
サインを出すと、相棒も力強く反応。直線、最後の力を振り絞ると逃げ粘る
ランリョウオーをゴール前できっちり競り落とした。「リズム良く走らせる作戦だった。前めにつけられてスムーズなレースができた」とプラン通りの騎乗に胸を張った。
張田師は「迷ったがチャンスを与えないと伸びないと思って(起用した)」と愛弟子の快挙に破顔一笑。今後は未定だが、久々にタイトルをつかんだ実力馬と将来性豊かな若武者のコンビから目が離せない。
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ジョエル 父
トーセンブライト 母トーセンレインボー(母の父ダイワメジャー) 牡5歳 船橋・張田京厩舎 馬主・島川隆哉氏 生産者・北海道日高町の有限会社エスティ
ファーム 戦績34戦8勝(南関東33戦8勝) 総獲得賞金1億496万5000円。