「朝日杯FS・G1」(17日、阪神)
9月16日。阪神3Rで7番人気の
ナムラフッカーが快勝し、単勝馬券は何と105・5倍。レース後、馬柱を凝視すると…母ナムラライラに見覚えが。かつて栗東の福島厩舎で母を担当していた房野助手(現・杉山晴厩舎)に連絡すると「ちょうど小倉で会った時に顔をなでてきました。うれしいもんですね」と喜んでいた。
まだフォームが固まっておらず、母に比べて荒々しい走りに思えたが、そのあたりは父
スワーヴリチャードが色濃く出たか。ただ、血統表を眺めると、意図的に攻めたクロスを狙ったフシがうかがえる。オーナーサイドの狙い通り、クロスによって心肺機能の高さが引き出された印象だ。
3代母アイリッシュピースは未出走ながらも、05年有馬記念&06年ドバイシーマクラシックを制したハーツクライの全姉。つまり、同馬はサンデーサイレンス&
アイリッシュダンスの血を引く姉弟の2×3濃厚クロスが特徴的だ。加えて、母父
ルーラーシップの母は
エアグルーヴであり、トニービン4×4×5クロスも兼備。これも活性化の要因だろう。
前走のデイリー杯2歳Sは3着ながらも、上がり3Fはメンバー最速。この時期に差す競馬ができたのは収穫だ。G1の舞台でも、大駆けムードが漂う。(デイリースポーツ・松浦孝司)