サトノレーヴで函館スプリントSを制し喜ぶ浜中俊騎手=函館(撮影・佐々木彰尚)
「函館スプリントS・G3」(9日、函館)
サ
マースプリントシリーズ第1戦を制したのは、2番人気の
サトノレーヴ。重賞初挑戦となった阪急杯では4着に敗れたが、得意の1200メートル戦で重賞初制覇を達成した。秋にはG1挑戦のプランも浮上。ス
プリント界に新たなスター候補が誕生した。2着は5番人気の
ウイングレイテスト、3着は3番の人気
ビッグシーザーが入った。1番人気の
アサカラキングは9着に敗れた。
北の大地で価値ある勲章を手にした。2番人気の
サトノレーヴが、好位から力強く抜け出して完勝。1200メートル戦で底を見せていない逸材が、2度目の重賞挑戦で初制覇を達成した。これで通算成績は8戦6勝。完璧な騎乗で勝利に導いた浜中は「強い馬だと思っていたので、しっかり勝つことができてうれしいです」と喜びを語った。
レースは内枠から
カイザーメランジェがハナを奪い、
アサカラキングが2番手につけて、前半3Fは33秒3。道中はこの2頭を見ながら3番手でレースを進め、直線では馬と馬の間にスッと入り、そこから瞬時に加速して後続を突き放した。
22年の
ナムラクレア以来、このレース2勝目となった鞍上は「枠順がいい並びだったので、きょうみたいな競馬を想定し、スタートだけは集中しました」と振り返る。言葉通り発馬を決め、道中のレース運びはシミュレーション通り。最後の直線に関しても「少しでもスペースができれば反応できる手応えがあり、その通り力強く走ってくれました。競馬センスが非常にいい馬です」とうなずく。非の打ちどころのないレース内容だった。
重賞を制して賞金を加算したことにより、先にある大舞台に向けて視界が開けた。里見治オーナーは「強かったですね。秋はスプリンターズS(9月29日・中山)を目標にしたいです」とG1参戦を示唆した。兄に13年スプリンターズS2着、15年高松宮記念2着の
ハクサンムーンがいる
ロードカナロア産駒。ニューヒーロー誕生へ-。奥の深さを感じさせる5歳馬が、群雄割拠のス
プリント界で存在感を示す。