重賞初制覇を目指すデシエルト(今年6月撮影、ユーザー提供:つんさん)
待望の完全復活となるか。名牝
エアグルーヴの曾孫となる
デシエルト(牡5、栗東・安田翔伍厩舎)が、プロキオンステークス(3歳上・GIII・ダ1700m)で重賞初制覇を狙う。
デシエルトは父
ドレフォン、母アドマイヤセプター、母の父キングカメハメハの血統。母は12年の京阪杯の2着馬。祖母の
アドマイヤグルーヴは03年と04年のエリザベス女王杯、曾祖母の
エアグルーヴは96年のオークスと97年の天皇賞(秋)、4代母の
ダイナカールは83年のオークスを制している。そして近親には
ドゥラメンテや
ルーラーシップ、
ジュンライトボルトなどの活躍馬が並ぶ。さすがは超良血馬だけあって、19年のセレクトセール当歳では2億5000万円(税抜)の高値で取引された。
ここまで10戦4勝。デビューから新馬(阪神ダ1800m)、1勝クラス(中京ダ1800m)、若葉Sと3連勝。皐月賞と日本ダービーでは大敗したものの、ダートに戻ったグリーンチャンネルCで4勝目を挙げた。しかし、その後は約1年1カ月の長期休養へ。昨秋に復帰して以降は4着、5着、5着、3着と大崩れこそしていないが、やや物足りないレースが続く。
今回は日本ダービー以来、約2年1カ月ぶりの重賞チャレンジとなる。相手は強くなるが、この馬自身の力を出し切れればチャンスはあるだろう。一族にとって
ウォータクティクス(09年
アンタレスS)、
ジュンライトボルト(22年チャンピオンズC、
シリウスS)に続く、3頭目のダート重賞ウイナー誕生となるか。その走りに要注目。