捲土(けんど)重来を期して3年ぶりに重賞へ。サマーマイルシリーズ第2戦「第72回中京記念」は18日、出走馬が確定した。栗東滞在の関東馬
ボーデンはこの日、団野を背にCWコース単走で追い切りを消化。折り合いとしまいの動きを確認し、態勢を整えた。前走の錦Sで1年11カ月ぶりに勝利の美酒。息を吹き返した素質馬が勢いに乗って重賞獲りにチャレンジする。
人馬の呼吸がぴったり合った。
ボーデンは団野を背にEコース(ダート)で脚慣らしをした後、CWコースへ。直線、手綱は持ったまま4F56秒1〜1F12秒3でゴールへ。シャープな脚さばきで駆け抜けた。
引き揚げてきた団野は「折り合いがついて最後までいい脚色」と第一声。「ゴールを過ぎてからの反応も凄く良くて、具合の良さを感じました。気性的にも久々の方がいいと思います」と笑みを浮かべた。
関東馬ながら木村厩舎に在籍していた頃を合わせると3度目の栗東滞在とあって、すっかり環境になじんでいる。先週水曜に美浦で追い切って翌日に栗東へ。日曜にCWコースで6Fから時計(79秒9〜1F12秒7)を出しているだけに、もうハードに攻める必要はない。予定通り、しまい重点で最終追いをクリア。佐竹助手は「栗東に来て2日くらいは力んでいたけど環境の変化への対応は早かったですよ。週明けから背中が柔らかくなって一段、調子が上がってきました」と好調をアピールする。
21年ス
プリングSで3着に好走。かつてのクラシック候補生も一時は3勝クラスで8戦続けて馬券圏内を外すなど不振が続いた。気難しい面があったことから2走前の節分S8着後、2月9日に去勢。そのタイミングで上原佑厩舎に移り、新たなスタートを切った。
転厩初戦の前走錦Sは去勢効果もあって体が18キロ絞れて490キロ。ズバッと差し切り、1年11カ月ぶりに勝ち切った。佐竹助手は「絞れて体をうまく使えるようになりました。前走は最後まで脚を使って、いいパフォーマンス。内容が良く、ポテンシャルの高さを感じました」と振り返る。
過去4勝中、左回りで3勝。それでも佐竹助手は「乗っている感触は左回りよりも右回りの方がスムーズ。コーナー4つのコース形態も大丈夫」と適性を見込んでいる。JRA初の平成生まれのトレーナーとして話題を提供した上原佑師は開業2年目の34歳。重賞は過去13戦で
アレグロブリランテが今年のス
プリングS2着、先週の函館2歳Sは
エンドレスサマーが3着と上位争いに加わった。
ボーデン自身は21年ラジオNIKKEI賞6着以来、3年ぶりの重賞参戦。厩舎一丸で初タイトルを獲りに行く。 (新谷 尚太)
【日本有数の名牝系】
○…
ボーデンは日本有数の名牝系。母ボージェストはJRA2勝だが4代母ダイナカールは83年オークス馬、曽祖母エアグルーヴは96年オークス、97年天皇賞・秋を制した。祖母アドマイヤグルーヴは03&04年エリザベス女王杯連覇を果たし、母子3代JRA・G1制覇を達成。この一族から06年高松宮記念を制したオレハマッテルゼ、12年クイーンエリザベス2世C(香港)を制した
ルーラーシップ、15年皐月賞&ダービー2冠馬
ドゥラメンテ、22年チャンピオンズCを制した
ジュンライトボルトなど芝ダートや距離を問わず活躍馬が多数、出ている。