「朝日杯FS・G1」(15日、京都)
新潟2歳S開催週の紙面コラムでも書いたのだが、面白い話なのでもう一度紹介したい。
あれは5月。栗東で仲の良かった調教助手がこんなことを話していた。「僕が今、調教で乗っている馬。大して強くない割に普段は威張ってるんですけど、
リバティアイランドみたいな強い馬と対峙(たいじ)するとおののくんです(笑)。馬の格が分かるんですかね。先日、驚いたのは池添厩舎の2歳におののいて。まだデビュー前の2歳ですよ?あのバゴの子、恐らく走ると思います」。その馬こそが、のちの
トータルクラリティだったのです。
バゴと言えば、北村友の代名詞とも言えるG1・4勝馬
クロノジェネシスや、10年菊花賞馬
ビッグウィーク、21年神戸新聞杯を制した
ステラヴェローチェなどを輩出。タフな馬場を得意とする産駒が多いのが特徴だ。前述の新潟2歳Sも雷鳴がとどろく中で行われ、良発表でも稍重に近いコンディション。最終12Rは中止になったほどだった。
とはいえ、新馬戦で放ったラスト1F10秒9の切れ味は強烈。牝系をひもとくと、祖母スルーレートの半妹にあたる
マイティースルーは、昨年の宝塚記念2着&凱旋門賞4着の
スルーセブンシーズの母。母父がスペシャルウィークの
トータルクラリティはより軽い芝への適性が高そうだ。果たして、真の大物なのか-。注目したい。