中山牝馬Sに出走予定のシランケド(撮影:下野雄規)
春のマイル女王決定戦ヴィクトリアマイルの前哨戦的位置づけにあるレースだが、ハンデ戦であることに加えて、中山競馬場芝1800mコースは器用さと立ち回りの上手さが求められるツーターンコース。東京マイルで行われるヴィクトリアマイルとは求められるものが異なる舞台設定だ。
◎シランケドは一昨年の紫苑S3着馬。このレースは前後半1000mが58.1秒〜59.9秒というハイラップに助けられたとはいえ、開幕週の馬場、1勝馬の身で大外を回りながら最後まで伸び続けた内容は評価したい。前走は出遅れて後方待機からの直線勝負。メンバー最速となる33.0秒の末脚で突き抜けた。大きく出遅れたデビュー戦を除けば[4-2-2-0]と堅実に競走キャリアを積み上げてきた。形の上では格上げ初戦となるここはハンデにも恵まれた。本命に推したい。
〇クリスマスパレードは紫苑S優勝馬。秋の開幕初日とはいえ2000m1分56秒6のレコードには驚かされた。秋華賞は半マイル通過45.8秒で大逃げする馬を離れた2番手で追走し、最後の直線で1度はこれを交わして先頭にたったが、ゴール前で失速。前走の中山金杯も半マイル通過46.8秒、前半1000m58.7秒の流れは厳しかった。自分のペースでいければスピードと粘着力は見限れない。
▲ミアネーロはフラワーC優勝馬でレコード決着の紫苑S2着。いずれのレースも上手に馬群をさばきながら鋭い決め手を発揮してきた。前走はスタートのアクシデントを最後まで取り戻せないままゴールとなってしまったが、それでもメンバー最速の末脚で追い込んだ。相性の良い舞台で2つめの重賞タイトルを狙う。
△シンティレーションは小倉牝馬S優勝馬。昨年夏以降の充実は素晴らしい。芝1800mは[4-3-2-2]と得意にしている距離。3歳春のフラワーCではスタニングローズと差のない競馬をした舞台で2つ目のタイトルを狙う。桜花賞と秋華賞以外は掲示板を外していない△セキトバイーストと、ターコイズS2着△ビヨンドザヴァレー。迎春Sを勝って挑むフラワーC2着△ホーエリートも無視はできない。