【スプリングS】ピコチャンブラック 父子3代制覇 上原佑師も親子VでJRA初平成生まれ重賞トレーナーに

2025年03月17日 06:00

 スプリングSを制したピコチャンブラック(左)=撮影・持木克友

 「スプリングS・G2」(16日、中山)

 2番人気のピコチャンブラックが、好位からレースを進め、向正面から早めに進出して先頭に並び掛け、そのまま押し切って重賞初制覇を達成した。04年に祖父ブラックタイド、15年に父キタサンブラックもV。23年神戸新聞杯のサトノグランツ(祖父ディープインパクト、父サトノダイヤモンド)以来となる父子3代による同一重賞制覇を成し遂げた。管理する上原佑紀調教師(35)=美浦=も重賞初Vとなり、JRA史上初となる平成生まれの重賞トレーナーが誕生した。

 課題をクリアして手にした重賞初制覇の栄冠だった。2番人気のピコチャンブラックが、好位から早めにスパートをかける強気の競馬で、祖父ブラックタイド、父キタサンブラックに続く父子3代によるスプリングS制覇を達成した。

 前走のホープフルS(13着)で若さを露呈。そのため、この中間はハミを工夫するなど、気性面に課題を置いて調整した。鞍上の石橋脩も4週続けて追い切りに騎乗し、人馬一体を目指した。それが今回の騎乗に生きた。向正面で1番人気キングスコールがまくり気味に追い上げたときも、それに合わせて動き出した。鞍上は「まだ課題もあるので、そこは行かした方がいいと判断した」と振り返る。馬の気持ちを重視してのアクションだ。「この馬のリズムを崩さないことだけを考えた」とうなずく。それが最後の伸びにつながった。

 管理する上原佑師は開業3年目で重賞初V。現在35歳で、平成生まれの調教師としてJRA史上初の重賞制覇を成し遂げた。昨年アレグロブリランテで2着だった一戦で、父・博之師との親子制覇(20年ガロアクリーク)も達成。「2、3着と勝ち切れなかったが、今のペースでやっていけばどこかでチャンスはあると思っていた。厩舎の初勝利が石橋さんだったのでそこも感慨深いし、一生忘れない勝利になりました」と笑顔を見せた。

 この勝利で皐月賞(4月20日・中山)の優先出走権も獲得。師は「必ずクラシックに乗せないといけない思っていたので、まずホッしています」と勝利の味をかみしめ、「G1に手が届く素質があると思っている馬。あとはそのような舞台でこの馬の能力を出せるかだけ」と力を込める。新進気鋭のトレーナーは、期待の素質馬とともに、さらなる高みを目指す。

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