「皐月賞・G1」(20日、中山)
“モレイラ無双”が止まらない。3番人気の
ミュージアムマイルが断然人気の
クロワデュノールを撃破。騎乗した
ジョアン・モレイラ騎手(41)=ブラジル=は19年ルメール以来、6年ぶり6人目の桜花賞(
エンブロイダリー)→皐月賞の連勝ジョッキーとなった。管理する高柳大輔調教師(47)=栗東=は18年の開業以来、初のクラシック制覇を達成。
クロワデュノールは1馬身半差の2着。3着には4番人気
マスカレードボールが入線した。
先に抜け出しを図った大本命馬に、同じ勝負服が忍び寄る。3番人気の
ミュージアムマイルが鮮やかに差し切って1冠制覇を達成。昨年の
ジャスティンミラノを0秒1更新する1分57秒0の皐月賞レコードVを決めた。桜花賞に続くクラシック連勝を飾ったモレイラは「特別な2週間になりました。夢の中でもなかなかない。本当にハッピー」と笑みを浮かべた。
課題のスタートを決めて道中は8番手を確保。狙っていたポジションだったが、馬群内でごちゃつくシーンがあった。「周りの馬の動きで
バランスを崩す場面もあったけど、それを乗り越えてくれた。馬が“勝ちたい”という気持ちでファイトしてくれました」。馬の精神力と鞍上のサポートで立て直すと、直線は1番人気馬を
ロックオン。「(前にいる)
クロワデュノールがそこまで瞬発力を見せていなかったので、外に出した時に勝てると思った。実は先頭に立つのはイメージより早かったけど、素晴らしい能力を見せてくれました」と相棒の走りをたたえた。
JRA・G1・3勝目でクラシック初勝利を飾った高柳大師は「感動しています。すごくうれしいのひと言です」と感無量。弥生賞ディープ記念4着からの見事な巻き返しに「前走のこと(敗戦)があったので、ドキドキしながら見ていました。ただ、坂を上ったあたりで伸びが違ったので、あとは信じるしかなかった」と喜びをかみしめた。
この春のG1で4戦3勝と止まらない“マジックマン旋風”。今回の短期免許が28日で終了するモレイラは「依頼があればスケジュールを調整したいけどね」と苦笑いを浮かべる。「もちろん乗りたい気持ちはありますよ。素晴らしい馬、特別な馬になる可能性が高いですから」。名手の口ぶりからも手応えは十分。主役として臨むダービー(6月1日・東京)で、2冠制覇への期待は高まっていく。