「羽田盃・Jpn1」(29日、大井)
好位3番手から抜けた
ナチュラルライズが単勝1・3倍に応え、5馬身差でダートクラシック1冠目を奪取。2着に4番人気の地元・
ナイトオブファイア。さらに6馬身離れた3着に2番人気の
ジャナドリアが入った。
ナイトオブファイアに加え、4着の
スマイルマンボ、6着の
ミーヴァトンの3頭に「第71回東京ダービー・Jpn1」(6月11日・大井)への優先出走権が与えられた。
掛かっても、暴れても強いものは強い。
ナチュラルライズが前哨戦の京浜盃に続いてラ
イバルたちを寄せ付けず、5馬身差でクラシック1冠目を奪取した。
パドックから元気いっぱい。「うれしいけど、すごく疲れました」と横山武は苦笑いだ。抜群のスタートを切って逃げる
スマイルマンボに
ジャナドリアが絡んで1コーナーへ。その直後で頭を上げながら3番手を追走。向正面に入っても行きたがるしぐさに鞍上が懸命になだめるシーン。常識的には後半にスタミナをなくすパターンだが、この“きかん坊”は違った。
4角過ぎで先行2騎を難なくかわして先頭へ立つと、今度は急激に内ラチ沿いへ。ラスト300メートル過ぎからはラチにぶつかるような感じ。それでも懸命に脚を伸ばしてくる
ナイトオブファイアに5馬身差。それゆえ
ガッツポーズはなかった。
自身にとっては、昨年のJBCレディスクラシック(
アンモシエラ)以来、2個目のJpn1タイトルとなった主戦は「モタれていたけど、強かった。粗削りですが、一歩一歩成長してくれています。より良い方向へ成長してくれば」とパートナーの成長を願うばかりだった。
伊藤圭師にとってはJRAのG1も含めて、悲願の
ビッグタイトル制覇となった。交流重賞7勝の
プリエミネンスを筆頭に、地方競馬では多くの管理馬で重賞を勝ってきたが、あとひとつの壁を突破できなかった。「ホッとしました。なかなか(Jpn1を)勝てなかったけど、それは考えず、平常心で臨めたのが良かったかな」と静かにほほ笑んだ。
次は2冠の懸かる東京ダービーへ。「とにかく前進気勢の旺盛な馬。きょうは直線も正しい走りはしてなかったけど、後ろが離れていたからね。無事ならダービーへ」と反省点も踏まえながら、今春の最大目標へ前を向いた。