5月1日(木)、園田競馬場(晴・良)で行われた3歳ダート短距離王決定戦、第26回兵庫チャンピオンシップ(JpnII、ダート1400m、出走12頭)は、道中3番手の外目を進んだJRAの
マテンロウコマンドが直線で3頭の追い比べを制し、未勝利戦から4連勝で3歳ダート短距離王に輝いた。道中2番手にいた
ハッピーマンが2馬身差の2着、さらに4分の3馬身遅れた3着が逃げた
リリーフィールド、4着が
ヤマニンチェルキで、上位4頭がJRA勢、5着が愛知の
ケイズレーヴで地方馬最先着となった。
勝った
マテンロウコマンドは父
ドレフォン、母ダイアナヘイロー(母の父キングヘイロー)の3歳牡馬。JRA栗東・長谷川浩大調教師の管理馬。通算成績は7戦4勝。鞍上はJRAの松山弘平騎手。松山騎手はこの勝利で兵庫で行われている4つのダート
グレード競走完全制覇となった。
レース後のコメント
1着
マテンロウコマンド(松山弘平騎手)
「1番人気に支持してもらっていましたし、何とか勝利することができて、ホッとしています。きょうは前半からレースを見ていて、ある程度前が有利な馬場なのではないかと考えていました。並びも、外枠でしたし、内側を見ながら行けるいい枠だと思っていました。理想通りの展開で、理想通りの競馬ができたと思います。
返し馬とかもそうだったのですが、初めての競馬場で、馬は結構キョロキョロしていました。ですが、レースに行ったらしっかり反応してくれましたし、最後はしっかり押し切ってくれて、強い競馬をしてくれたと思います。前走も馬の後ろから競馬ができましたし、厩舎の方がうまく作ってくれていますので、どういった競馬でも対応できるようになってきたと、心強く思います。
距離については未知数なところはあるのですが、現時点では1400mはいいのではないかと思っています。きょうも勝ちましたが、まだまだ幼い部分もありますし、まだまだ成長できる馬だと思います」
(長谷川浩大調教師)
「前走後はここを目標に調整してきましたし、このレースを勝つために良い状態で進んでくることができました。自信を持って出せることを確認できましたので、あとは良いレースをしてくれればというところでした。
流れが落ち着いたところがあり、前の2頭をとらえ切れるかと心配はしていましたが、力強く抜け出してくれて、ホッとしています。(ツーターンへの対応は)やってみないと、というところはありましたが、中京でのレースを2走見て、対応はできると感じていました。未勝利を勝ち上がってから、動きたいところで動けるという強みが出てきたと感じていました。未勝利の勝ち時計からすると時計面が課題でしたが、それを詰めることができたのは能力の高さを示す要因だと思います。
距離については、現状は1400mがベストです。短縮してもしっかり戦えると思います。マイルぐらいまでかなとは思っています。あとは、ここからの成長で変わってくると思います。伸びしろはまだまだありそうです。今後についてはまだ考えてはいませんが、まず馬の状態を確認してから考えたいと思います。地方、中央問わずダートです。ダートの重賞戦線は層が厚いので、賞金を加算できたことは大きいです。これからも一戦一戦頑張りたいと思います」
2着
ハッピーマン(坂井瑠星騎手)
「距離は短い方がいいです。2番手から最高のレースができましたが、きょうは勝った馬が強かったです」
3着
リリーフィールド(武豊騎手)
「ダートでも上手に走りますが、重いダートの1400mはこの馬には少し長いかもしれません。芝ダート問わず、ベストは1200mだと思います」
(小崎憲調教師)
「(地方の)深いダートはしんどかったようです。その中で3着に粘るのですから、中央なら1400mでも大丈夫かなと思います」
4着
ヤマニンチェルキ(酒井学騎手)
「枠順的にも勝ち馬を見ながら進めたいと考えました。ただ、ここまでの課題でもある外に張る部分が、小回りコースで出ていました。結果、直線でも、力が逃げる形で、脚が溜まりきれませんでした。広い中央の1400mのコースの方が競馬がしやすいのではと思いました」
5着
ケイズレーヴ(吉原寛人騎手)
「スタートは良かったです。プラン通り、この馬のペースでまとめようと思いました。枠も良かったですし、逆に下手に動けないところだったので、メリハリはききました。直線の脚にかけてのレースで、追ってからの反応は良く、園田のコースをしっかりこなしてくれました。このメンバーの中、5着と頑張ってくれました。中身のある、いい馬だと思いました」
6着
エイシンハリアー(小牧太騎手)
「3コーナーではいい手応えでした。そこで欲張りすぎたかもしれません。じっくり構えたらもう少し上の着順があったかもしれません」
(取材:檜川彰人)