オークスに出走予定のリンクスティップ(c)netkeiba
牝馬クラシック第2弾の「オークス」。桜花賞がスピードと瞬発力を競うのに対して、こちらはスタミナ、そして底力が問われるレースだ。近年ではステップレースを嫌うような傾向があるものの、春のクラシックは王道を歩んできた馬が強い。とくにオークスはその傾向が強く過去10年で桜花賞組が7勝。忘れな草賞組が2勝。そしてフローラSから挑んだ馬が1勝となっている。
また、前走4着以内が9勝2着9回。大敗から巻き返して連対を果たしたのは昨年のチェルヴィニア(桜花賞13着)と、15年の2着ルージュバック(桜花賞9着)のみだ。
◎リンクスティップはきさらぎ賞2着ののち桜花賞3着馬。きさらぎ賞は未勝利戦を勝った直後でのエントリーだったが、逃げ先行馬が総崩れとなるようなハイペースを追走しながら最後の直線で1度は先頭に。最後は勝ち馬に突き放されたが、のちの重賞勝ち馬を相手にさし返して2着を確保するなど内容の濃い1戦だった。桜花賞はスタートでヨレてポツンと最後方から。初めて経験するマイルの流れに戸惑いながらも、最後は雨降る中で大外から脚を伸ばして3着まで押し上げた。距離延長は味方しそうだ。
〇アルマヴェローチェは桜花賞2着。札幌2歳Sはマジックサンズと同タイムの2着で、阪神JFは早め先頭から押し切った。それ以来の実戦となった桜花賞はひと回り大きく成長した馬体での出走だったが、やや立ち遅れ気味のスタートから中団を追走し、出走メンバー最速の末脚でクビ差2着。最後はマイル適性の差だったようにも見えた。この馬も距離延長を味方にしたい。
▲パラディレーヌはつばき賞優勝馬。この時はあまり上手なスタートとは言えず、レース前半は後方から。前後半の半マイルは47.3秒〜47.1秒というイーブンペースだったが、坂の上り下りを利して一気に進出して早め先頭から後続を突き放した。前走のフラワーCは痛恨の出遅れ。最後はメンバー最速の末脚で追い込んだものの前も止まらず2着だった。まだ伸びしろがありそうだ。
△カムニャックはフローラS優勝馬。デビュー戦は超スローペースだったとはいえ最後の2ハロン10.9秒、10.9秒というレースラップを外から楽に抜け出した。前進気勢の強さから、アルテミスS、エルフィンSは人気を裏切ってしまったが、12kg絞って出走した前走は馬群の中で折り合いをつけると最後は馬場の真ん中を力強く伸びた。侮れない能力を示した。
桜花賞馬△エンブロイダリーとフラワーCを勝った△レーゼドラマ、忘れな草賞を勝って挑む△サヴォンリンナも能力的に無視はできない。