「宝塚記念・G1」(15日、阪神)
ファン投票10位の
ソールオリエンスが、23年皐月賞以来のVを目指す。
トップレベルで戦い続けてきたこともあり、長く勝ち星から遠ざかっているが、昨年の宝塚記念では直線外から鋭く伸びて2着に好走。馬場状態や展開がかみ合えば、一気に突き抜けるだけの脚は持っている。完成期を迎えた5歳春、再び輝きを取り戻す。
トップでゴールを通過した人馬が勝者となり、それ以外は全て敗者-。まれに同着はあるものの、競馬で褒めたたえられるのは勝者のみだ。
デビューから無傷の3連勝で皐月賞を制した
ソールオリエンスではあったが、早々にG1タイトルを手にしたことで、その後は苦難の道を歩む。常にトップクラスで戦い続け、皐月賞V後は11戦0勝。それでも、名畑助手が「結果が出ていないのがもどかしい」と心情を吐露したように、捲土(けんど)重来を期す人馬の闘志が失われることはない。むしろ今が充実期。5歳を迎えて着実に成長している。
以前はトモを気遣ってコース中心の調整だったが、今回は厩舎のパターンに合わせて、積極的に坂路調教を取り入れている。「近走は疲れが残らないように軽めに調整していましたが、今回は攻めています。それに耐えうる体になってきたし、トモの緩さも解消されてきた」。自慢の切れ味に重厚感が加わり、末脚の威力が増してきた。
前走の大阪杯は10着に敗れたが、上がり3Fはメンバー最速タイ。ラストの伸びは際立っていた。継続騎乗で松山とのコンビも2度目。立ち回りひとつでチャンスはあるはずだ。「阪神芝内回り、開催2週目という舞台がプラスであるかは分かりませんが、天気予報通りなら天候は味方してくれるのでは。
メイショウタバルがいてスローにはならなさそうだし、タフな競馬になりそう。この馬が差し込める展開と馬場になってくれれば」。皐月賞V、宝塚記念2着と重馬場での実績は言うまでもない。上半期を締めくくる
グランプリで、G1ホースが意地の走りを見せる。