宝塚記念に出走予定のドゥレッツァ(ユーザー提供:TAKE2さん)
上半期を締めくくる「春のグランプリ」。1996年以降は7月上旬あるいは6月下旬に行われることが多く、過去10年間で良馬場が5回、やや重〜重が5回。それはそれで良いと思うが、近年問題となっている暑熱対策などの影響等も考慮され、実施時期が2週ほど繰り上げられた。舞台となるのは1周1689mの阪神競馬場内回りを使用する2200m。外回りコースの4角出口付近からスタートして馬場を一周と少々。昨年は京都競馬場で行われたが、一昨年からの過去10年間はBコースが使用されており、上がり3ハロン最速馬は[5-6-0-0]。先行できる馬が有利にレースを運べそうだ。
◎ドゥレッツァは昨年のジャパンC2着で、今春のドバイシーマクラシック3着。脚部不安を抱えていたこともあって2歳9月にデビューしたあとも大事に使われ、2歳11月の初勝利から5連勝で菊花賞を制覇した実力馬だ。昨年春の天皇賞(春)は不可解な敗戦だったが、英国インターナショナルS5着から帰国後のジャパンCはスローの流れを断ち切るかのように途中からハナを奪ってシンエンペラーと2着を分け合った。良い脚を長く使えるタイプで、鞍上の意のまま動ける自在性を持ち合わせており、小回りの中距離戦はこの馬の力を発揮できる舞台だ。
〇レガレイラは昨年の有馬記念優勝馬で、一昨年のホープフルS優勝馬。一昨年夏のデビューから9戦して[3-0-1-4]という成績だが、最後の直線で大きな不利があったエリザベス女王杯以外は出走メンバー最速、もしくは最速タイの末脚を繰り出しており、強靭な末脚が武器だ。有馬記念、ホープフルSの結果からも小回りコースの多頭数競馬を苦にしない面があるのは心強い。
▲アーバンシックは昨年の菊花賞馬で、有馬記念1番人気6着。2400m通過が2分28秒2というハイペースとなった菊花賞は豪快な追い込みを決めたものの、スローで流れた有馬記念、そして前走の日経賞では差し届かなった。ただし、巷間言われているように昨年の菊花賞はハイレベル。それを制した底力は無視できない。
△ベラジオオペラは逃げ、先行力を武器に大阪杯2連覇。昨年の宝塚記念は京都競馬場外回りコース特有の流れになって早めに動かざるを得ない状況の中で0.4秒差3着。距離にもめどを立てた1戦だった。
あとは大阪杯2着△ロードデルレイと、出遅れながらも同3着△ヨーホーレイク。最後に海外遠征帰り初戦ながらも△ローシャムパークの名前を挙げておきたい。